湾岸諸国の脱炭素化に高い期待、2021年度海外進出日系企業実態調査(中東編)

(中東、アラブ首長国連邦、トルコ、サウジアラビア、イスラエル、イラン、カタール、ヨルダン、クウェート、バーレーン、オマーン)

中東アフリカ課

2022年01月25日

ジェトロは1月13日、2021年9月1~30日に中東10カ国(注1)に進出する日系企業を対象に実施した「2021年度 海外進出日系企業実態調査(中東編)」の結果を発表した(2022年1月20日記事参照)。その中から、「有望ビジネス分野」についての調査結果を紹介する(注2)。

駐在国もしくは中東市場で今後、有望視するビジネス分野を聞いたところ(複数回答可)、中東10カ国全体では、「資源・エネルギー」が53.0%で最多、次いで「インフラ」(42.3%)という結果だった。国別で見ても、イスラエルでは「新産業」(75.0%)が最多だったが、それ以外の国では「資源・エネルギー」が最多、特にイランとカタールでは9割以上の企業が「資源・エネルギー」と回答した。

「資源・エネルギー」分野の中では、対象国全体で脱炭素関連となる「再生可能エネルギー(太陽光、風力等)」(74.8%)、「水素」(65.8%)、「燃料アンモニア」(56.8%)が上位となった。産油国のサウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)でもこの3項目が上位を占めた。脱石油依存・産業多角化を政策として掲げ、世界的な潮流である脱炭素やクリーンエネルギーへの転換を積極的に推進するサウジアラビア(2021年6月2日付地域・分析レポート参照)とUAE(2021年9月1日付地域・分析レポート参照)は、今後の注目国を聞く設問で第1位、第2位となったが、その注目点としても、両国が進める脱炭素化の推進策やプロジェクトへの期待の声が多く挙げられた。

「インフラ」分野の中では、対象国全体では「電力」(57.3%)、「水」(52.8%)が上位を占めたが、UAEでは「都市開発」が1位、トルコでは「病院」が2位だった。イスラエルの「新産業」の中では、特にスタートアップが約9割と高い関心を集めた。

本調査では、2020年8月以降のイスラエルとUAEなど一部のアラブ諸国との国交正常化がビジネスに与える影響についても聞いた。イスラエルとUAEの間では既にさまざまな分野で協力事業が発表・実施されているが(注3)、国交正常化を「メリット」と回答したのは、UAEで28.3%だったのに対し、イスラエルでは69.2%と、イスラエル側の期待が高いことが明らかとなった。全体では「影響なし」と回答したのが58.1%、「メリット」は23.6%だった。

(注1)アラブ首長国連邦(UAE)、トルコ、サウジアラビア、イスラエル、イラン、カタール、ヨルダン、クウェート、バーレーン、オマーンの10カ国。255社に回答を依頼し、230社から有効回答を得た(有効回答率90.2%)。

(注2)「投資環境」については、「投資環境の魅力は市場規模と成長性(2022年1月21日記事参照)」を参照。

(注3)具体的な事例は、ビジネス短信特集「イスラエルとアラブ諸国の国交正常化をめぐる動き」を参照。

(稲山円)

(中東、アラブ首長国連邦、トルコ、サウジアラビア、イスラエル、イラン、カタール、ヨルダン、クウェート、バーレーン、オマーン)

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