豪エネルギー大手ウッドサイド、米オクラホマの水素製造施設の基本設計に着手

(米国、オーストラリア)

ヒューストン発

2022年01月19日

オーストラリアのエネルギー大手ウッドサイド・エナジー(本社:西オーストラリア州パース)は1月18日、米国オクラホマ州のH2OKプロジェクト(注1)の基本設計に着手したと発表した。

プロジェクトのフェーズ1では、290メガワット(MW)の発電施設に加え、電気分解により最大で日量90トンの液化水素を製造し、大型トラックや倉庫用フォークリフトといった大型の輸送部門を対象とする。今後のプロジェクトの拡張により、最大で550MWの発電施設、日量180トンの液化水素の製造が可能になるとしている。

ウッドサイドは2022年下半期にH2OKプロジェクトへの最終投資決定を行い、2025年に液化水素の製造を開始することを目標にしている。

ウッドサイドのメグ・オニール最高経営責任者(CEO)は「H2OKのような新しいエネルギープロジェクトは株主に大きな価値を生み出す可能性がある。2030年までに新しいエネルギー製品と低炭素サービスに50億ドルを投資するという最近発表された目標と相まって、今回のH2OKプロジェクトの基本設計着手がエネルギー転換を通じたウッドサイドの戦略を支援するものになる」と述べている。

米国での水素製造施設に関する類似の事例としては、2021年8月12日に、コーパスクリスティー港湾庁(テキサス州コーパスクリスティー)と石油ガスのパイプライン輸送を担うハワード・ミッドストリーム・エナジー・パートナーズ(テキサス州サンアントニオ)がハワードのハベリナ製油施設を地域初のカーボンニュートラル水素製造施設に転換する覚書を締結したことを発表している(2021年8月17日記事参照)。2021年10月14日には、米国のガス大手エアープロダクツ・アンド・ケミカルズ(本社:ペンシルベニア州アレンタウン)がルイジアナ州東部に45億ドル規模のブルー水素(注2)製造施設を建造すると発表している(2021年10月19日記事参照)。

(注1)オクラホマ州アードモアのウエストポート工業団地に提案された液化水素製造施設を指す。

(注2)ブルー水素は、天然ガスや石炭など化石燃料から副次的に生産される水素のうち、製造過程で出る二酸化炭素(CO2)が炭素回収・有効利用・貯留技術(CCUS)によって大気に排出される前に回収されるものを指す。

(沖本憲司)

(米国、オーストラリア)

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