世界銀行、2022年の東アジア・大洋州の新興国・地域の成長率を5.1%と予測、中国経済の減速を受け下方修正

(ASEAN、中国、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン、カンボジア、ラオス、ミャンマー)

アジア大洋州課

2022年01月19日

世界銀行は1月11日発表の「世界経済見通し外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」で、2022年の東アジア・大洋州の新興国・地域の実質GDP成長率見通し(予測)を前年比5.1%とし、2021年6月の前回発表(2021年6月15日記事参照)から0.2ポイント引き下げた(添付資料表参照)。また、2021年の成長率(推定)については7.1%と前回発表から0.6ポイント引き下げ、2023年については5.2%と前回発表を据え置いた。

世界銀行は、同地域の2022年の経済見通しを引き下げた要因について、同地域で大きな経済規模を誇る中国経済の減速を反映したもの、と説明。世界銀行は、2022年の中国の経済成長率を、長引く「新型コロナ禍」の悪影響と金融や不動産など一部産業に対する規制強化で、2021年の8.0%から5.1%に減速すると予測した。一方、中国を除いた同地域の2022年の成長率は5.0%と予測し、国内需要の回復とワクチン接種率の高まりで2021年の2.5%から回復すると指摘した。

その他、東南アジア各国の2022年の成長率をみると、フィリピンが公共投資の継続と家計消費の回復に支えられて5.9%(前回発表から据え置き)と最も高い成長率になると予測。また、マレーシアについても、高いワクチン接種率により国内需要が改善し、5.8%(1.6ポイント増)と高成長を予測した。また、新型コロナウイルス感染拡大に伴う厳しい規制措置により2021年の経済が低迷(2022年1月12日記事参照)したベトナムは、ワクチン接種率の上昇を受けて経済活動が活性化し、2022年に5.5%(1.0ポイント減)、また翌2023年には6.5%(前回発表を据え置き)と経済回復が加速すると予想した。

一方、観光部門への依存が大きいタイは、「新型コロナ禍」前の水準まで経済が回復するのに2023年までかかるとし、2022年の見通しは3.9%(前回発表から1.2ポイント減)となった。また、2021年2月1日に発生した国軍による権力の掌握で混乱が続くミャンマーについては、同国の情勢が極めて不透明なことを理由に、予測が発表されなかった。

世界銀行は、同地域の見通しについて、下振れのリスクが非常に高いと指摘した。その要因として、(a)ワクチンの接種率は2022年半ばまでに70%を超えると予想されるなど着実に上昇しているものの、オミクロン株などの変異株の影響によるパンデミックの再発のリスクがあり、観光や旅行業の回復への足かせになりかねないこと、(b)債務の増大による金融リスクの高まり、(c)特に島しょ国の小国において、自然災害や気候関連による問題がリスクになることを指摘している。

(三木貴博)

(ASEAN、中国、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン、カンボジア、ラオス、ミャンマー)

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