国立銀行、政策金利を7カ月連続で引き上げ

(ハンガリー)

ブダペスト発

2021年12月16日

ハンガリー国立銀行(中央銀行)金融審議会は12月14日、月例の政策会議で政策金利を前月から0.3ポイント引き上げ、2.40%とすることを決定し、翌15日から実施した。2021年6月に10年ぶりに引き上げを行って以来(2021年6月28日記事参照)、今回で7カ月連続の引き上げになった。

国内の消費者物価指数は、2021年4月に目標上限値の4%を超え、前年同月比5.1%の上昇となった。7月に一度、上昇率が低下したものの、8月からは再び上昇率の高まりが続いている。国立銀行は10月に、インフレリスクが目標値である2~4%の幅で落ち着くまで利上げのサイクルを継続する方針を発表しており、今回も市場の予測どおりの利上げだった。

なお、消費者物価指数は2021年11月に7.4%上昇とピークに達しているが、12月以降は徐々に低下していく見通しとした。しかし、労働市場の逼迫や賃金上昇などによる期待インフレ率の上昇が予想されるため、国立銀行としては1週間の中央銀行預金金利を変更するなどし、今後も金利引き締めを行っていくとしている。

コアインフレ率は今後数カ月上昇が予想され、さらにエネルギー価格や国際貨物運賃の上昇、市場全体での供給の混乱などを背景に、2022年半ばごろには上昇率が6%近くに達する見込みだが、その後は新型コロナウイルスの感染拡大やインフレ環境が落ち着き、低下傾向になる、と国立銀行は予測している。

(清部陽介)

(ハンガリー)

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