湖北省、「湖北省長江経済ベルトグリーン発展『14・5』規画」を発表

(中国)

武漢発

2021年12月21日

中国・湖北省発展改革委員会は「湖北省長江経済ベルトグリーン発展『14・5』規画外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(以下、「規画」)を11月26日に発表した。「規画」は、「生態環境の保護・修復の強化、環境にやさしい生産・生活方式の拡大、自然環境改善に向けた『生態環境建設」における弱点補強、人と自然の平和的共存の促進」を目的とし、2025年までの具体的な目標を設定している(添付資料表参照)。

「規画」は「一屏一区一地」と呼ばれる戦略に基づき実行する。「一屏(へい)」は、「長江中流域における生態系のセーフティーネットの構築」を意味し、生態系の環境容量や土地空間・ネガティブリスト管理の強化、生態系の回復と環境汚染管理プロジェクトの実施、河川流域の生態系環境と水域の生態系機能の改善を通じて、長江中流域における生態系のセーフティーネットを構築する。

「一区」は、「長江経済ベルトにおけるグリーン先行エリアの構築」を意味する。具体的には、先行エリアにおけるグリーン産業の牽引役としての機能、再生可能資源の再利用など循環ハブとしての機能、環境にやさしい消費体系(リサイクル用品の有効活用など)を促進する機能、自然環境が有する多様な機能の利用をサポートする機能、生態系への影響を最小限に抑える機能、環境にやさしい開発政策であることを保証する機能などを強化する。

「一地」は、「長江経済ベルトにおける住みやすい環境づくり」を意味する。具体的には、生態系の回復、環境保護、グリーン開発システムなどにさらに配慮し、緑豊かで住みやすい都市や町、美しい村の建設を全面的に推進。都市部の生態系の回復と農村の居住環境の改善にさらに取り組み、簡素で程よく、グリーン・低炭素を旨としたライフスタイルを積極的に提唱する。

環境対策に係るニーズは拡大

「規画」の制定も含め、湖北省内の行政サイドによる環境への対応はさらに強化される方向だ。武漢市政府は5月7日、「武漢市の新型コロナウイルス収束後の生態環境の弱点補強と機能強化、生態環境プロジェクト3年行動実施方案外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表、2022年までに総額180億元(約3,060億円、1元=約17円)を環境関連プロジェクトに投資する方針を示した(2021年5月18日記事参照)。

今後のビジネス展開においては、環境対応に関する行政サイドの取り組みも意識しながら、必要な対応をとっていくことが重要だ。さらに、必要な対応を進める中で、自社のビジネスチャンスも模索していく必要があるだろう。

(楢橋広基)

(中国)

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