アフリカ大陸の累計感染者数が900万人を突破

(アフリカ、南アフリカ共和国)

中東アフリカ課

2021年12月22日

アフリカ大陸の新型コロナウイルスの累計感染者数が900万人を突破した(12月14日、オックスフォード大学「Our World in Data」)。アフリカ大陸では、8月末に第3波がピークアウト(2021年9月22日記事参照)した後、11月上旬には新規感染者数が1年半ぶりに5,000人を下回っていた。

しかし、11月下旬から南アフリカ共和国を中心に感染が再拡大し、南アの1日当たりの新規感染者数が12月初旬に2万人を超えると、ジンバブエなど周辺国でも感染者数が増加。ケニアやナイジェリア、エチオピアなどでも感染者数が増加し、1日当たりの新規感染者数はアフリカ大陸全体で3万人を超え、第3波のピークだった7月中旬の4万1,903人に迫る勢いとなっている。

ウイルス情報共有機関のGISAIDによると、同データベースに登録されている過去4週間のオミクロン株は12月21日時点で、南アが1,133件(同株が占める割合は93.9%)と大陸内で最も多く、次いでボツワナが279件(69.6%)、ガーナが38件(52.1%)、ケニアが27件(79.4%)、セネガルが17件(53.1%)と続く。検出数はいまだ限られているが、アフリカ各地でオミクロン株が検出されている。

オミクロン株の発生を受けて、世界各国は直ちに南部アフリカからの入国制限を強化したが、南ア政府や世界保健機関(WHO)などの働き掛けもあり、徐々に見直す動きもみられ始めている。アフリカ域内では、入国制限措置を講じたアンゴラ、エジプト、モロッコ、ルワンダの4カ国のうち、モロッコを除く3カ国は解除に踏み切った。

南アのシリル・ラマポーザ大統領は、12月13日に新型コロナウイルスに感染していることが確認されたが、隔離後21日には職務へ復帰した。南アの1日当たり感染者数は、12月17日に過去最多の2万3,437人を記録した後、減少傾向にあり、12月20日時点で1万9,400人となっている。このままピークアウトにつながるのかどうかが注視される。

(小林淳平)

(アフリカ、南アフリカ共和国)

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