ホンダ二輪、グジャラート州拠点でグローバル向けエンジンの製造開始

(インド)

アーメダバード発

2021年12月20日

ホンダ・モーターサイクル・アンド・スクーター・インディア(HMSI)は12月14日、グジャラート州アーメダバード近郊のビタラプールに立地する第4工場で、北米や欧州、アジア太平洋州、湾岸諸国などの市場を視野に入れた、グローバル向けエンジンの製造を開始したと発表した。

現在、HMSIは、マネサール(ハリヤナ州)、タプカラ(ラジャスタン州)、ナルサプラ(カルナータカ州)、ビタラプール(グジャラート州)の4工場で二輪車の製造を行っている。同社プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、今回新たに稼働した工場は、250cc以上の二輪車用エンジンを生産する専用ラインで、タイ、米国、カナダ、欧州、日本、オーストラリア、湾岸諸国など世界の需要に対応するために設置した。

同ラインで、初年度は5万基のエンジンを生産する計画だが、市場の需要動向に応じて生産能力をさらに拡大する予定としている。また、第4工場では、13億5,000万ルピー(約20億2,500万円、1ルピー=約1.5円)を投資し、国内外市場向けに中型ファンモデルエンジンも生産する予定だ。

第4工場で開催したラインオフ式典で、同社幹部は、今回の新ラインの拡張はマシニング、エンジン組み立てや最新の保管システムなど、生産工程のいたる所に最新の特別な工程を導入しており、(1)世界的モビリティー需要の拡大に対応し、世界市場での輸出拡大と品質水準の向上に貢献する、(2)インド国内の自動車・二輪車の排ガス基準(BS6)の達成に一歩近づく、(3)「メーク・イン・インディア」の方針を強化し生産能力を高めるもので、「ホンダの輸出能力と世界市場をシームレスに統合する」と述べている。

インドの二輪車(スクーター、モーターサイクル)の直近3カ月の推移を見ると、11月単月の生産台数は133万7,074台で、前月比26.5%の減少だった(添付資料表参照)。国内販売については100万6,848台と、前月比32.2%減と大きく減少し、一般的に消費が旺盛になる10月の祭礼シーズンの需要も盛り上りに欠けたとみられ、長引く新型コロナウイルス禍の影響がうかがえる(2021年11月19日記事2018年12月14日記事参照)。直近3カ月間の輸出は各月36万台前後とほぼ横ばい。生産台数、国内販売のいずれも、足元は前年比でも減速が顕著な一方、輸出に関してはやや伸びている。

(古川毅彦)

(インド)

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