脱炭素・人権などに関する企業の取り組みが明らかに、海外進出日系企業実態調査(アジア・オセアニア編)

(中国、香港、マカオ、台湾、韓国、ASEAN、ベトナム、タイ、シンガポール、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、カンボジア、フィリピン、ラオス、インド、バングラデシュ、パキスタン、スリランカ、オーストラリア、ニュージーランド)

アジア大洋州課

2021年12月07日

ジェトロが12月7日に発表した「2021年度 海外進出日系企業実態調査(アジア・オセアニア編)」〔前編(2021年12月7日記事)参照〕によると、アジア・オセアニアの進出日系企業による脱炭素化(温室効果ガスの排出削減)への取り組み状況について、「すでに取り組んでいる」企業は全体で3割超となり、「取り組む予定がある」の企業を含めると6 割超になった。しかし、「すでに取り組んでいる」企業を規模別にみると、大企業(38.2%)が中小企業(17.9%)を上回っており、大企業と中小企業で取り組み状況に大きな格差があることが見受けられた。

デジタル技術を活用している企業は6割超も、人材確保が課題に

同調査によると、デジタル関連技術(注1)を活用する(予定を含む)アジア・オセアニア進出日系企業の割合は全体で63.2%となった。活用しているデジタル技術の中でも、昨年度と比較して大きく伸びたのは、電子商取引(EC)と、ソフトウエア上のロボットによる業務工程の自動化を行うRPA(注2)で、ともにほぼ倍増している。新型コロナウイルスを機に、非接触型の販売や業務の自動化が進んだとみられる。また、デジタル関連技術を活用する上での課題としては、「デジタル人材を扱える人材が不足」が51.4%で最多となった。特に割合は、マレーシア、インドネシア、シンガポールで6割近くになった。

サプライチェーンにおける人権、過半数が経営課題として認識

サプライチェーンにおける労働・安全衛生など人権の問題は、企業の過半数(54.1%)が経営課題として認識している。特に、オーストラリアでは「2018年現代奴隷法」(注3)に対応する動きがみられた。一方、実際にサプライチェーンにおける人権に関する方針を設定し、調達先企業に対してその準拠を求めている企業の割合は、大企業で約3割(31.1%)、中小企業では約1割(10.2%)にとどまった。現時点では、広範なサプライチェーンを有し、本社による方針作成が進む大企業を中心とした取り組みにとどまっているとみられる。

(注1)既存のビジネスの在り方を変えるような、新しいデジタル技術(EC、AI、RPAなど)や同技術を利用したビジネス手法。

(注2)RPA:ソフトウエア上のロボットによる業務工程の自動化。ロボティック・プロセス・オートメーション。

(注3)オーストラリア国内で事業を行い、傘下の事業体を含む年間収益が1億オーストラリア・ドル(約80億円、豪ドル、1豪ドル=約80円)を超える企業などを対象に、サプライチェーンとそのオペレーションにおける現代奴隷のリスクを評価・分析し、報告することを義務付けた法律。

(児島亨)

(中国、香港、マカオ、台湾、韓国、ASEAN、ベトナム、タイ、シンガポール、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、カンボジア、フィリピン、ラオス、インド、バングラデシュ、パキスタン、スリランカ、オーストラリア、ニュージーランド)

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