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香港税関、模倣品撲滅に向け日本企業と連携を強化

(香港)

香港発

2021年12月13日

ジェトロ香港事務所は12月2日、香港税関と共催で、香港税関職員を対象とした知的財産権保護セミナーを開催した。30人の税関職員が参加した。

セミナー前半の講師として、香港で模倣品被害を受けて対策を講じている日系企業4社の知財担当者(以下、日系企業担当者)が登壇。4社は、精密機器メーカー、鞄メーカー、総合スポーツ用品メーカー、キャラクターライセンス事業者。

写真 知財保護セミナーの様子(香港税関提供)

知財保護セミナーの様子(香港税関提供)

各講師は、自社製品やライセンス商品の真贋(しんがん)判定方法や模倣事例を説明。電子商取引(EC)プラットフォームが模倣品の販売経路となっている点や(注1)、模倣品が精巧になり正規品との区別が難しくなっている点などを課題に挙げた。また、対策事例として、特許技術を用いた商品タグや、ホログラムを利用したセキュリティラベルの活用などが紹介された。

質疑応答では、講師から説明があった真贋判定方法について、さらに詳細な説明を希望する声が上がるなど活発な交流が行われた。

また、セミナー後半では、相互理解を深めるべく香港税関職員から、前半で講師を務めた日系企業担当者に対し、香港税関の知財保護の取り組みや手続きを紹介。特に、模倣品摘発に必要な手続きの「備案制度(知財権の登録制度)」(注2)について、権利者が著作権または商標権を税関に登録する際の必要書類や、登録に際し任命が必要とされる「有資格鑑定人」(注3)の要件などの情報が提供された。

意見交換セッションでは、日系企業担当者から「有資格鑑定人による真贋判定をオンラインで行えるか」との質問が投げかけられた。香港税関職員は「侵害疑義物品の写真データの送付により初歩的な判定を行うことは可能。ただし、裁判所の要求に基づく差し押さえ品の真贋判定は香港現地で行う必要がある。新型コロナウイルスの感染が収束し、海外の鑑定人が香港現地に渡航し鑑定できるようになることを願う」と回答した。

閉会に当たり、香港税関の區健偉(アウ・キンワイ)著作権・商標調査科監督は「ポスト・コロナにおいて香港を理想的なイノベーション拠点へと発展させるべく、今回のセミナーを通じて知財保護を徹底していく」と力強い決意を示した。

(注1)香港のECサイト上の模倣品取り締まりについては、2021年3月18日付地域・分析レポート参照。

(注2)制度の詳細は、ジェトロ作成「香港における税関登録関連調査報告書(2017年3月)PDFファイル(975KB)」を参照。

(注3)香港税関における知財権の事前登録を進める際、「有資格鑑定人(英語でQualified Examiner、中国語で合資格的驗證人員と呼称される)」の任命が権利者にとって必須とされている。「有資格鑑定人」は、模倣・侵害行為に立ち向かう香港税関に対して必要な支援を随時提供できることが求められ、支援の内容として、香港裁判所へ出廷し、模倣・侵害品業者の前で必要な証言を提供するなどの対応が含まれる。詳細は注2に記載の調査報告書を参照。

(ユミ・ラム)

(香港)

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