雇用パスなどの新規取得・更新手数料を大幅に値上げ

(マレーシア)

クアラルンプール発

2021年12月03日

マレーシアでは11月15日以降、一部査証における新規取得・更新の申請手数料が引き上げられている。外国人駐在員の雇用パス(EP)や扶養家族パス(DP)、プロフェッショナル・ビジット・パス(PVP)などビジネス目的の査証が対象だ(注1)。一方で、サービス向上や非接触化の観点から、窓口でしかできなかった一部手続きを郵送に切り替えるなどの変更も開始した。マレーシアは2019年に、査証発給にかかる申請手数料を値上げすると発表した後(2019年5月14日記事参照)、その直後に導入時期を延期していた(2019年6月7日記事参照)。

ESDの発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(10月1日付)によると、EPの申請手数料は800リンギ(約2万1,600 円、1リンギ=約27円)となり、それまでの300リンギから2倍超に引き上げられた(添付資料表参照)。また、DPの申請手数料も以前の6倍強の450リンギへ、PVPも無料だったものが800リンギへ変更された。なお、今回値上げされるのは申請手数料のみで、査証発給料自体は据え置かれる。一方、同じ11月15日から、旅券への雇用パス貼り付けにかかる申請と手数料支払いは、ESDのポータル経由で可能となった。さらに、従来、窓口での受け取りが必要だったところ、ESDが申請者へ雇用パスを郵送する方式に変更された(注2)。ESDとしては、窓口に出向く機会を減らし、手続きの円滑化を図りたい考えだ。

企業からはコスト増に不満の声

今回の申請料引き上げに対し、企業からは不満の声が上がっている。マレーシア経営者連盟(MEF)は10月に出した声明で、今回の大幅値上げについて「国家経済の回復を図る非常に重要な時期に、投資を誘致する努力に水を差す」「査証の申請や更新を困難にする料金改定により、ビジネスの持続性が阻害されかねない」と表明した。11月15日に新料金が適用されて以降、当地日本人商工会議所でも、大幅なコスト増は、新規駐在員やその家族の派遣に際して既に大きな障壁となっている、との指摘がされている。

なお、雇用パスを郵送する方式に関しても、一部の日系企業は、郵送で機微な情報を取り扱うことに対する不安や、受取人が特定の人に指定されていたり、配達時にその場ですぐにパスポートへの貼り付け作業を行ったりする必要があるなど、かえって手続きが煩雑化することへの懸念を表明している。

(注1)就労目的でマレーシアに滞在する査証としては、長期滞在・就労のためのEPと、短期就労(機械設置や研修など)のためのPVPがある。EPは業種によって申請先が異なるが、入国管理局外国人サービス課(ESD)が所管するのは、製造業や情報通信技術企業などを除く、販売会社やサービス会社など非製造業へのEP。PVPについては業種を問わず、ESDへ申請する。

(注2)具体的な手順については、ESDが発行する、パス貼り付けにかかるガイドラインPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で詳細が公表されている。

(吾郷伊都子)

(マレーシア)

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