連邦政府が水素産業の現状を報告

(オーストラリア)

シドニー発

2021年12月13日

オーストラリア連邦政府のアンガス・テイラー産業・エネルギー・排出削減相は12月10日、同国の水素産業の現状についてまとめた報告書を発表した。連邦政府が2019年に国家水素戦略(注1)を策定して以降の進捗状況を評価した初めての報告書で、水素1キログラム当たり2オーストラリア・ドル(約162円、豪ドル、1豪ドル=約81円)未満とする価格目標を達成するために克服すべき課題や道筋を示した。

報告書(State of Hydrogen 2021外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、オーストラリアではこれまで、水素産業の開発に対して公共部門から12億7,000万豪ドル、民間部門から16億豪ドル以上の投資が行われた。プロジェクトの規模は、2025年までに100メガワット(MW)を超えると見込まれており、ギガワット(GW)規模の大型プロジェクトについては、最終投資決定はこれからだが、2020年代後半の操業開始が予定されているとした。また、クリーン水素の価格は、2030年までに2豪ドルから4豪ドルの間まで下がると予測した。

報告書は一方で、需要サイドの進捗は遅れているとして、水素需要の創出や輸送コストの削減、低価格な水素の大規模生産の実現などが課題になっているとした。水素混合ガスの供給や水素燃料電池自動車など、将来的に予測される用途の多くは実証が始まったばかりで、輸出サプライチェーンの構築や水素産業の拡大に資する取り組みには時間がかかるものの、コストが下がり、新たな技術の採用が進むにつれて、展開は加速化するとの見通しを示した。また、水素ハブの展開や、シンガポール、ドイツ、日本、英国、韓国とのパートナーシップの下で行われる研究開発や実証など(2021年9月22日記事参照)、連邦政府や各州政府の支援策も課題解決に貢献するとした。

(注)水素産業に関するオーストラリアの政策やプロジェクトの概要については、調査レポート「オーストラリアにおける水素産業に関する調査(2021年3月)」を参照。

(住裕美)

(オーストラリア)

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