トルコ初の公的支援によるゲーム開発センターがオープン
(トルコ)
イスタンブール発
2021年12月17日
イスタンブール市とゲームのインキュベーションセンター「ゲームファクトリー」の連携により、12月8日にトルコで初となる公的支援によるゲーム開発センター(OGEM)がオープンした。 現地報道によれば、トルコ発のゲーム開発会社の世界展開を後押しするために、マーケティング講座から開発に必要な技術設備の提供まで、多岐にわたる支援が提供される予定だ。イスタンブール市は、OGEMの誕生により、ゲーム開発者が一堂に会して自分たちの経験を共有できるエコシステムをつくり上げることができるとしている。
OGEMに入居したチームは、12カ月間のインキュベーション支援を得ることができる。センターの養成プログラムは多岐にわたっており、プログラム講師は、グーグルやゲームファクトリー、バフチェシェヒル大学、ウイプレ(WePlay ventures)(注)などから参加。ソフトウエアデザインや投資家との関係構築、ファイナンスの知識などに関する、ゲーム開発に必要な幅広く質の高い教育を受けることが可能だ。
施設内には、専門的なコンピューター関連機器も導入されている。例えば、実際の人物や物体の動きをデジタル的に記録するモーションキャプチャ技術は、トルコでは個人で専用機器を備えることは難しい。このような入居者が必要とするツールをそろえて、入居者が予算を気にせずにゲーム開発に集中できる環境を整えている。また、ゲームをパブリッシングする際の広告宣伝費の補助もあり、入居者にとっては自身の作品の収益化が容易となる。
同センターのオープニングセレモニーで、イスタンブールのエクレム・イマムオール市長は「トルコのゲーム産業は近年著しく成長している。若い世代の起業家への支援を通じ、トルコのゲーム業界からの新たなユニコーン輩出を期待したい」と語った。
近年、トルコではゲーム産業の勢いが増している。ゲームスタートアップのユニコーンも2020年から2年連続で誕生しており(2020年6月4日記事参照、2021年7月6日記事参照)、業界全体に対する投資額も増加し続けている。
(注)イスタンブールに本拠地を置くゲームセクター専門の投資会社。主にアーリーステージのゲーム開発会社に対し、資金をはじめノウハウやネットワークなどを提供し、スケールアップを支援する。
(友田椋子)
(トルコ)
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