中央準備銀行、政策金利を2.50%に設定、5カ月連続の引き上げ

(ペルー)

リマ発

2021年12月13日

ペルー中央準備銀行(BCR)は12月9日の金融政策決定会合で、5カ月連続となる(2021年11月15日記事参照)政策金利の引き上げを行い2.00%から2.50%にすると発表した。BCRでは緩和政策の方針に変わりはないとするものの、今回の金利引き上げの背景については、以下を考慮したとしている。

  1. 年間のインフレ率(月間インフレ率の前年同月比)が10月の5.83%から11月には5.66%に低下したが、国際的な食料や原油価格の高騰と為替の下落などにより依然として目標値(1~3%)を上回っている。ただし、食料とエネルギーコストを除く11月の年間インフレ率は2.91%に収まっている。
  2. 経済活動が依然として従来の水準を下回っているものの、原油や食料価格の高騰と為替の下落がしばらく継続することを考慮すると、インフレ率が目標値の1~3%の範囲に収まるのはまだ半年以上先の2022年の下半期になる見通し。
  3. この先の年間インフレ率の見通しが10月の3.6%から11月には3.7%に上昇。加えて、2022年の見通しも前回の3.3%から3.7%に上昇し、目標値を上回っている。
  4. 11月の経済評価指標の多くが前月から悪化しており、幾つかの指標は悲観的傾向にある。
  5. 新型コロナウイルスの感染再拡大や新たな変異株の発生、財やサービスの国際供給力の低下などより世界的に経済活動が鈍化したものの、回復基調にあり、この先もさらに新型コロナウイルスのワクチン接種と先進国の財政刺激策が進むにつれ、回復が継続することが期待される。

BCR理事会では、現時点では引き続き金融緩和政策を維持しつつ、今後もインフレ率の見通しと経済活動の進捗状況を注視しながら、必要に応じた措置を講じるとしている。次回のBCR金融政策決定会合は1月6日を予定している。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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