中央準備銀行、4カ月連続で政策金利引き上げ、2.00%に

(ペルー)

リマ発

2021年11月15日

ペルー中央準備銀行(BCR)は11月11日の金融政策決定会合で、前月に引き続き(2021年10月14日記事参照)、政策金利を0.5ポイント引き上げ、2.00%にすることを発表した。今回の引き上げについて、BCRでは以下のポイントを考慮したとしている。

  1. 国際的な食料や原油価格の高騰と為替の下落などにより、直近12カ月間累計のインフレ率が9月の5.23%から10月には5.83%に上昇し、一時的に目標値(1~3%)を上回った。食料とエネルギーコストを除く10月の12カ月間累計インフレ率は2.79%に収まっている。
  2. インフレ率が目標値(1~3%)内に収まるのは、原油や食料価格の高騰と為替の下落がしばらく継続することを考慮すると、2022年の第2四半期(4~6月)になる見通し。
  3. この先12カ月間の累計インフレ率の見通しは、10月時点の予測でも前月に引き続き3.6%を維持しており、2022年には目標値をわずかに上回る3.3%になると予想される。
  4. 10月の経済評価指標の多くが改善しているが、幾つかの指標は依然として悲観的傾向にある。
  5. 世界的に経済活動が以前より鈍化したものの回復基調にあり、この先もさらに新型コロナウイルスのワクチン接種と先進国の財政刺激策が進むにつれ、回復が継続することが期待される。

BCR理事会では、現時点は引き続き金融緩和政策を維持しつつも、今後もインフレ率の見通しと経済活動の進捗状況を注視しながら、必要に応じて金融政策の変更を行うとしている。次回のBCR金融政策決定会合は12月9日を予定している。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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