2022年1月から法定最低賃金を引き上げ

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2021年12月13日

プーチン大統領は12月6日に、法定最低賃金の引き上げに関する連邦法(2021年12月6日付連邦法第406-FZ号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)に署名した。これにより、2022年1月1日から月額1万3,890ルーブル(約2万835円、1ルーブル=約1.5円)と、前年の1万2,792ルーブルに比べ8.6%引き上げられる。

本法案が下院に提出された時点では、2022年の法定最低賃金を月額1万3,617ルーブルとする予定だったが、プーチン大統領が1万3,890ルーブルとする修正法案を提出した(「タス通信」11月19日)。背景には、昨今加速するインフレを考慮して、法定最低賃金の算出に用いられる最低生活費のさらなる引き上げを、プーチン大統領が指示したことがある。ロシアでは、法定最低賃金は労働者の最低生活費と前年の最低賃金を下回ることは禁止されている(2021年1月8日記事参照)。

なお、法定最低賃金は、労災保険や産休・育休手当など社会保障給付額算出の際の基準としても用いられる。労働・社会保障省の試算によると、今回の改定により1,600万人が恩恵を受けることができ、300億ルーブルの追加予算が必要になる(「コメルサント」紙12月6日)。

(宮下恵輔)

(ロシア)

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