G7外務・開発相会合が開催、ASEAN外相も初参加

(英国、世界)

ロンドン発

2021年12月14日

英国リバプールで12月11、12日に、G7外務・開発相会合が開催された。G7各国の外相やEU外務・安全保障上級代表のほか、開発関連セッションに一部G7の開発担当相が参加。インド太平洋地域に関する議論にはオーストラリア、韓国のほか、初めてASEAN各国の外相も参加した。

全体の議長声明PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)では、2022年の世界中での新型コロナウイルスワクチン接種に向けたコミットメントを再確認し、各国・地域のワクチン製造能力拡大などに取り組むことで合意した。中国に関しては、香港、新疆ウイグル自治区、東シナ海、南シナ海の状況と台湾海峡の平和と安定の重要性について議論。同国の強制的な経済政策について懸念を表明した。

ベラルーシについては、政権による市民権の抑圧への懸念を表明、政治目的での通常ではない難民移住の企てを非難した。西バルカン地域では、ボスニア・ヘルツェゴビナにおける敵対的かつ無責任なレトリックと行動を非難したほか、コソボとセルビアに対しては、EUが主導する両者の関係正常化に関する対話に建設的に取り組み、遅滞ない進展を求めた。

アフリカ地域については、リビアの自由、公正、インクルーシブ(包括的)かつ信頼ある大統領選と議会選への支持と、サヘル5カ国(G5:マリ、モーリタニア、ブルキナファソ、ニジェール、チャド)に対する支援を表明。一方で、国内で戦闘が続くエチオピアには即時停戦を求め、スーダンに対しては10月25日の軍部による暫定政権解消と権力掌握を非難した(2021年10月26日記事参照)。

インド太平洋地域については、インクルーシブ(包括的)で法の支配に基づいた、自由かつ開かれたインド太平洋の維持の重要性について議論。質の高いインフラやグリーン移行、持続可能な経済開発とテクノロジーなどの分野を含む同地域への強力な関与と協働を再確認。また、同地域の問題や安全保障上の課題、海洋協力やサイバー空間における国家行動について議論した。会合後にはASEANとの協力に関する議長声明PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)も発表した。

ロシア、ウクライナに関しては、G7外相声明(原文外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます仮訳外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)も発表。ロシアの軍備増強とウクライナへの攻撃的なレトリックを非難し、ロシアはウクライナへのさらなる軍事的侵攻が甚大な結果と厳しいコストを招くことを明確に理解すべきと求めた。

(山田恭之)

(英国、世界)

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