チウカ新首相と3党連立内閣が誕生

(ルーマニア)

ブカレスト発

2021年12月07日

ルーマニアの国民自由党(PNL)所属のニコラエ・ヨネル・・チウカ新首相と新内閣が11月25日、上下両院合同議会において過半数の賛成(賛成318票、反対126票)を得て承認された(注)。クラウス・ヨハニス大統領は同日、PNL、社会民主党(PSD)、ハンガリー人民主同盟(UDMR)による3党連立内閣の任命に署名した。9月に連立政権を離脱した「ルーマニア救出+自由統一連帯党(USR PLUS)」と「ルーマニア統一同盟(AUR)」は組閣案に反対票を投じたと報じられた。

退役軍人であるチウカ新首相は、クツ前内閣で国防相を務めた。

閣僚ポストは前政権より2ポスト多い20ポストとなり、PSDから9ポスト、PNLから8ポスト、UDMRから3ポスト就任した(添付資料表参照)。官房長官にはPSDの意向により、同党所属のマリアン・ネアクシュウ氏が就任する予定と報じられている。報道によれば、3党の党首は、首相、財務相、法相、運輸・インフラ相の主要4ポストをPNLとPSDが交代で就任することに合意。2023年夏から、首相と法相はPNLからPSDに、財務相と運輸・インフラ相はPSDからPNLに交代し、UDMRは他省の閣僚に就任するという。

今回の組閣をめぐっては、2021年9月6日に連立与党が崩壊(2021年9月10日記事参照)し、10月5日にクツ前首相内閣に対する不信任案が可決された(2021年10月8日記事参照)ことが発端になっている。11月25日付の「ルーマニア・インサイダー」紙によると、経緯は以下のとおり。ヨハニス大統領は新首相候補としてUSR PLUS党首のチョロシュ元首相を指名したが、議会の支持を得られなかった。その後10月21日、チウカ氏が指名されたが、PNLとUDMRがPSDを連立政権に取り込む交渉が進まず、議会投票の前日である11月2日に指名を辞退した。その後、3党連立のめどが付いたことから11月22日、ヨハニス大統領は再度チウカ氏を指名し、PNLはPSD、UDMRと連立を組むことになった。

(注)得票数は、11月25日時点の「Digi24」に基づく。ルーマニア政府およびルーマニア議会のウェブページには、日本時間12月6日午前11時時点で未掲載。

(ミンドル・ユニアナ、西澤成世)

(ルーマニア)

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