新型コロナ・オミクロン株感染を初確認、ブースター接種前倒しなど感染予防策を発表

(ペルー)

リマ発

2021年12月22日

ペルーのエルナンド・セバージョス保健相は、新型コロナウイルスのオミクロン型変異株の感染が国内で初めて確認され、12月19日に4件、20日に8件の感染事例があったと発表した。セバージョス保健相によると、いずれも首都リマで確認され、そのうち1件は南アフリカ共和国からの入国者と述べた。20日の8件については、市内で行われた結婚式の参加者で、既に市中感染が発生していることを明らかにしている。

今回のオミクロン株感染の発生を受けてセバージョス保健相は、既に11月26日から開始しているワクチンの3回目のブースター接種の対象者について、18歳以上の全居住者で、接種完了から3カ月以上経過している者とすると発表した(注)。加えて、人々の外出による混雑が予想されるクリスマスと年末年始についても、既に発表している強制外出禁止令(戒厳令)時間(2021年12月13日記事参照)を前倒しし、12月24日午後11時から25日午前4時までと、12月31日午後11時から1月1日午前4時に変更するとした。また現在、リマを含む「中級警戒レベル」指定地域で80%の収容許可人数となっている施設については収容率を60%に減らす。さらに、公共交通機関の利用時にもワクチン接種完了証明の提示を求めるなどの変更提案を首相に対して行う考えも示した。

ペルーでは、新型コロナウイルスのワクチン接種は12月21日時点で1回目接種が2,423万8,185回(人口比73.4%)、2回目接種が2,101万7,734回(同63.6%)に達している。現在の接種対象年齢は12歳以上だが、2022年1月には3月以降の学校などでの対面授業再開を目指すため、5歳から11歳を対象としたファイザー製小児用ワクチン1,400万回分の輸入も予定している。

(注)従前はワクチン接種完了から5カ月以上経過している者としていた。3回目ブースター接種ワクチンは米国ファイザー製と英国アストラゼネカ製を使用。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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