米中の共同宣言を受け、中国はメタン排出削減の行動計画を制定へ

(中国、米国)

中国北アジア課

2021年12月02日

中国・生態環境部気候変動対応司の陸新明副司長は、11月25日の定例記者会見で、温室効果ガスの一種であるメタンの排出削減に向けた行動計画を制定する方針を示した。

具体的には、メタンの排出の現状を調査し、石炭採掘、汚水・固体廃棄物処理、農業、石油・天然ガスなどの各分野・産業で有効な排出削減措置を定める。炭層ガスの排出基準を適時に修正し強化するとともに、石油・天然ガスの採掘、廃棄物処理などでメタンの回収・利用の強化、重点分野でのメタン排出の監視・測定、調査・検証の強化などに取り組む。さらに、メタン排出削減のための政策、技術、標準システム、監視測定などの分野で、国際協力を強化することもうたっている。

米中両政府は11月10日、英国グラスゴーで開催された国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)に合わせて「2020年代に気候行動を強化するグラスゴー共同宣言外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表(2021年11月15日記事参照)。共同宣言では、パリ協定第2条が掲げる世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて摂氏2度より十分に低く保ち、できれば1.5度以内に抑える目標実現のため、両国が異なるそれぞれの国情を踏まえながら、2020年代に気候変動対策とその協力を強化するとした。そして、中国がメタンの排出削減の行動計画を策定すること、第15次5カ年(2026~2030年)規画期間に石炭消費量を段階的に削減することなどが盛り込まれていた。

このほか、共同宣言では、米中両国が2022年上半期に、メタンの測定と削減強化の具体的事項を検討する会議を共同開催する予定としている。

(宗金建志)

(中国、米国)

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