ブリンケン米国務長官、初のサブサハラアフリカ歴訪

(ケニア、ナイジェリア、セネガル、米国)

中東アフリカ課

2021年12月06日

米国のアントニー・ブリンケン国務長官は11月17日から4日間の日程で、ケニア、ナイジェリア、セネガルの3カ国を歴訪した。長官にとって今回が初のサブサハラアフリカ訪問となり、新型コロナウイルスや気候変動、地域の安全保障などについて各国要人と会談した。

ブリンケン国務長官は11月17日、最初の訪問国ケニアでウフル・ケニヤッタ大統領と会談した。エチオピア情勢やスーダンのクーデターなど安全保障について協議したほか、長官は再生可能エネルギーなどケニアの気候変動に対する取り組みを評価し、再生可能エネルギー分野のパートナーとして協力していきたいと述べた。ケニヤッタ大統領は、米国による新型コロナウイルス対策に関連する支援に感謝するとともに、ワクチン生産と物流の拠点を目指したいとの考えを示した。同日午後には、ケニアのレイチェル・オマモ外相とも会談し、5つの柱(経済発展・貿易・投資、防衛協力、ガバナンス、多国間・地域協定、保健協力)について協議した。

18日にはナイジェリアの首都アブジャで、ムハンマド・ブハリ大統領やイェミ・オシンバジョ副大統領らと会談した。ブリンケン国務長官は、アフリカで2番目に大きな貿易相手国のナイジェリアとの貿易額は2019年に100億ドルを超えたと述べ、今後の貿易・投資に意欲的な姿勢を示した。また、深刻な人道危機に瀕しているナイジェリア北東部の治安情勢についても言及し、米国のこれまでの人道支援をアピールした。同長官はまた、オシンバジョ副大統領とともに21億7,000万ドルの開発援助協定に署名した。なお、米国は長官のナイジェリア入国前に、信教の自由に関して「特に懸念のある国」(CPC)リストからナイジェリアを除外している。

ブリンケン国務長官は20日、セネガルの首都ダカールでのマッキー・サル大統領との会談で、ケニアやナイジェリアと同様のテーマについて話し合った後、米国企業4社(ABDグループ、ベクテル、モトローラ・ソリューションズ、キュービック・トランスポーテーション・システムズ)とセネガル政府の間で締結する覚書(MOU)の調印式に同席した。具体的には、ダカール市内の信号機や交通監視システムの設置や、ダカールとサンルイを結ぶ高速道路、ジガンショールの橋建設、セネガル国内におけるデジタル通信ネットワークの敷設などにかかるもので、総額10億ドル相当の投資が行われるとブリンケン国務長官は述べた。

(小林淳平)

(ケニア、ナイジェリア、セネガル、米国)

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