官民合同の水素・アンモニア発電実証推進団が発足

(韓国)

ソウル発

2021年11月22日

韓国の産業通商資源部は11月16日、韓国電力、その他発電を担う公企業とともに「水素・アンモニア発電実証推進団」を発足させた。同推進団は、韓国政府が先に決定した温室効果ガスに関する「2030年国別排出削減目標(NDC)の引き上げ」および「2050カーボンニュートラルシナリオ」(注1)の達成に不可欠とされる、水素・アンモニア発電の導入を加速化するのが狙い。具体的には、水素・アンモニア発電の技術動向や実現可能性に加え、海外事例、混焼・専焼発電の実用化のための法制度面の改善点などを議論する。

韓国政府は、「2050カーボンニュートラルシナリオ」において、アンモニアや水素を燃料とした二酸化炭素(CO2)フリーの発電を2050年の電源構成の13.8%~21.5%とする計画(注2)。水素発電は、現在進めているガスタービンの水素混焼限界評価・燃焼最適化の技術開発を2024年までに完了し、2028年までに150メガワット(MW)規模で水素50%混焼の実証を完了、2035年までに水素30%以上の混焼発電の実用化の後、2040年までに水素専燃の実用化を目指す。また、アンモニア発電は、2027年までに20%混焼の実証を完了し、2030年には43基ある石炭発電所のうち半分以上となる24基で20%の混焼発電を実用化する計画だ。

(注1)「2030年国別排出削減目標(NDC)の引き上げ」(2021年10月27日記事参照)に合わせて、国内の部門別削減策をまとめた「2050カーボンニュートラルシナリオ」も決定。

(注2)シナリオのA案において、発電電力量[1,257.7テラワット時(TWh)]のうち、270.0TW(21.5%)、シナリオのB案において、発電電力量(1,208.8TWh)のうち、166.5TWh(13.8%)をCO2フリーガスタービン発電による発電として決定している。

(当間正明)

(韓国)

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