ニュージーランド中銀が2会合連続で利上げ、政策金利は0.75%に

(ニュージーランド)

シドニー発

2021年11月26日

ニュージーランド準備銀行(RBNZ、中央銀行)は11月24日、政策金融委員会を開催し、政策金利を0.25ポイント引き上げ、0.75%とすることを決定した。2会合連続の引き上げとなり、RBNZは、物価を安定化し、持続可能な最大限の雇用を支援するために金融政策のさらなる引き締めが必要と判断した。

RBNZは「新型コロナウイルスによって継続する不確実性の中で、短期的には家計の支出や企業の投資が抑制されるが、新型コロナ対策の新制度への移行(注)によって制限緩和が進み、経済活動は回復する」との見通しを示した。そうした中で、「労働市場は持続可能な最大限の水準を上回っており、石油価格や輸送コストの上昇、サプライチェーンの混乱などによって、インフレ率は短期的に5%を超える」と予測した。

ニュージーランド統計局の最新の統計によると、2021年第3四半期(7~9月)の消費者物価指数(CPI)は前年同期比で4.9%上昇し、2011年第2四半期(4~6月)以来の最高水準に達した。また、2021年第3四半期の失業率は、史上最低水準となる3.4%を記録した(2021年11月4日記事参照)。

(注)ニュージーランドでは、12月3日から新たな制度「COVID19プロテクション・フレームワーク」を導入の予定。同制度は、ワクチン接種証明書の使用によって、飲食店やジムの利用、イベントの開催などを広く認める方針で、緑、オレンジ、赤の3段階からなる信号システムを用いる(2021年10月25日記事参照)。

(住裕美)

(ニュージーランド)

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