第24回日ASEAN首脳会議開催

第24回日ASEAN首脳会議（議長：ブルネイのハサナル・ボルキア国王）が10月27日、テレビ会議形式で開催され、岸田文雄首相とASEAN首脳が出席した（外務省発表、ASEAN事務局発表）。各国首脳は日本とASEANの友好・協力の進展に満足しつつ、「日ASEAN友好協力に関するビジョン・ステートメント実施計画改定版」の継続的・効果的な実施を含め、日ASEAN戦略的パートナーシップのさらなる強化を約束した。また、日ASEAN友好協力50周年となる2023年に、日ASEAN特別首脳会合を日本で開催するという日本の意向が歓迎された。

会議後に発表された声明の経済分野の主な記述は以下のとおり。

• デジタル経済、イノベーション、能力構築、人材育成分野での協力を強化。電子的情報・データの越境伝達を促進。国内と国際的な法的枠組みを尊重しつつ、消費者とビジネスの信頼を強化。
• 日ASEAN10年間戦略的経済協力ロードマップ（2016～2025）、日ASEAN包括的経済連携（AJCEP）協定を含め、貿易・投資関係を一層深化・拡大する。全ての署名国のAJCEP協定第1改定議定書の完全な批准を求める。
• AJCEPの電子的原産地証明書のデータ交換スキーム導入に向けた協議を含め、サプライチェーンの強靱（きょうじん）性、デジタルソリューション、貿易円滑化分野での協力を促進する。経済強靱化のための日ASEANアクションプランを進める。
• 「イノベーティブ＆サステナブル成長対話（DISG）」「日ASEANビジネスウイーク」の進展と成果に感謝を表明。2022年のプライオリティーに沿った「日ASEANイノベーティブ＆サステナブル成長プライオリティー」を歓迎。
• 日ASEAN経済産業協力委員会（AMEICC）、ASEAN日本人商工会議所連合会（FJCCIA）、日本貿易振興機構（ジェトロ）、ASEAN・日本経済協議会（AJBC）の活動を賞賛。
• 「ASEAN連結性マスタープラン（MPAC）2025」「連結性に関する第22回日ASEAN首脳会議共同声明」への日本の継続的支援を評価。
• 日ASEANスマートシティーネットワーク官民協議会（JASCA）の設置、ASEANスマートシティーネットワーク（ASCN）の都市と日本の間での連携を促進する。
• 持続可能な開発に向けたエネルギー転換の重要性を再確認。「ASEANエネルギー協力行動計画（APAEC）フェーズ2：2021～2025」を通じたエネルギー転換イニシアチブへの日本の貢献を評価。
• 日ASEAN環境協力対話（AJDEC）、日ASEAN環境協力イニシアチブの進展を歓迎。日本のグリーン成長戦略に沿ったグリーン成長やバイオ循環型グリーン経済モデル（BCG）などへの協力に期待。
• 透明性、緩和、適応といった気候変動分野での日本の協力を歓迎。日ASEAN気候変動アクション・アジェンダ2.0、アジア・エネルギー・トランジション・イニシアチブ（AETI）など、ASEANにおける日本の気候変動イニシアチブを歓迎。

（北見創）