第3四半期の貿易収支は12億4,300万ドルの赤字

(チリ)

サンティアゴ発

2021年11月30日

チリ中央銀行が11月23日に発表した資料によると、2021年第3四半期(7~9月)の貿易(通関ベース)は、輸出(FOB)が前年同期比30.9%増の235億4,100万ドル、輸入(CIF)が67.2%増の247億8,400万ドルで、貿易収支は12億4,300万ドルの赤字となった。

輸出を品目別にみると、構成比63.7%を占める鉱産物は前年同期比35.7%増の150億700万ドルだった(添付資料表1参照)。銅は、今期の国際価格の平均が前年同期比43.7%増の1ポンド=4.25ドルと高値で推移したことに加え、主な仕向け地の中国(構成比:51.6%)と米国(14.2%)、日本(8.3%)向けがいずれも増加しており、特に米国は前年同期比で3.2倍に拡大した。

農林水産物は前年同期比14.6%増の11億2,800万ドルで、リンゴやキウイなどの果物の輸出が増加を牽引した。果物は、主な仕向け地の米国(構成比:31.2%)とオランダ(6.0%)向けは増加したが、第3位のイタリア(5.7%)向けは12.3%減だった。

工業品は前年同期比24.6%増の74億600万ドルだった。サーモンは38.4%増の11億200万ドルで、前年同期は世界的な新型コロナウイルスの流行により、物流の遅延や国際需要の減少などの影響を受けて落ち込んだが、今期は新型コロナ禍以前の水準まで回復している。一方で、ボトルワインは7.3%減で、主な仕向け地の中国(構成比:17.1%)向けは47.2%増となったが、ブラジル(12.5%)と英国(9.6%)向けは2桁減となった。

輸入を品目別にみると、中間財は前年同期比73.9%増の126億3,100万ドルだった(添付資料表2参照)。エネルギー製品の石油やディーゼルはそれぞれ2.7倍、87.6%増となり、化学製品や金属製品の輸入も大幅に増加した。消費財も81.1%増となる75億4,900万ドルだった。耐久消費財は、国内の需要増に伴って自動車が3.1倍、テレビが2.2倍に増加した。資本財はトラック、牽引車と鉱業、建設用機械がいずれも2倍以上増加したため、35.7%増となった。

輸出を主要国別にみると、中国(構成比:37.5%)、米国(17.2%)、日本(7.5%)の順で、同3カ国向けの銅関連製品の増加に加えて、中国向けは鉄鉱、米国向けはサーモンの輸出が増加した(添付資料表3参照)。

輸入を主要国別にみると、中国(構成比:29.7%)、米国(17.2%)、ブラジル(9.1%)の順で、中国からは耐久消費財の輸入が増加し、米国とブラジルからはエネルギー関連製品が増加した。

(岡戸美澪)

(チリ)

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