中央準備銀行、インフレ率上昇に伴い政策金利を1.50%に引き上げ

(ペルー)

リマ発

2021年10月14日

ペルー中央準備銀行(BCR)は10月7日、前月に引き続き、政策金利を0.5ポイント引き上げて、1.50%にすることを発表した。政策金利の引き上げは3カ月連続。今回の引き上げについて、BCRでは以下のポイントを考慮したとしている。

  1. 国際的な食料や原油価格の高騰と為替の下落などにより、直近12カ月累計のインフレ率が8月の4.95%から9月には5.23%に上昇し、一時的に目標値(1~3%)を上回った。なお、食料とエネルギーを除く9月の12カ月間累計インフレ率は2.57%に収まっている。
  2. 今回のインフレ率の上昇は為替の下落、国際穀物や原油価格の高騰など、一過性の要因によるもので、そのため、今後12カ月以内にインフレ率は目標値内に収まると予測し、2022年中は同水準を維持すると見込んでいる。
  3. この先12カ月間の累計インフレ率の見通しが8月の3.1%から9月には3.6%に上昇し、2022年には目標値をわずかに上回る3.25%になると予想される。
  4. 9月の経済評価指標の多くがわずかながら改善しているが、依然として悲観的傾向にある。
  5. 世界的に経済活動が回復基調にあり、この先もさらに新型コロナウイルスのワクチン接種と、先進国の財政刺激策が進むにつれ、回復が継続することが期待される。

BCR理事会では、現時点で緩和的金融政策を維持しつつも、今後もインフレ率の見通しと経済活動の状況を注視しながら、必要に応じて金融政策の変更を行うとしている。次回のBCR金融政策決定会合は11月11日を予定している。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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