APEC2021開催、「アオテアロア行動計画」を採択

(ニュージーランド)

シドニー発

2021年11月17日

APEC首脳会議が11月12日に、テレビ会議形式で開催された。議論の総括として首脳宣言を採択するとともに、「アオテアロア(注)行動計画」をとりまとめた。同計画は、2020年に採択した「APECプトラジャヤ・ビジョン2040」(2020年11月24日記事参照)を実施するための具体策が盛り込まれた行動計画で、「2040年までに、開かれた、ダイナミックで、強靱(きょうじん)かつ平和なアジア太平洋共同体とする」理念の実現を目指す。

2021年のAPECはニュージーランドを議長国として(2020年12月28日記事参照)、新型コロナウイルス感染拡大からの回復などについて議論を重ねてきた。アーダーン首相はその成果として、ワクチンや医療物資の流通促進に取り組んだほか、ペーパーレスによる貿易円滑化に関する取り組みが進展したことなどを挙げた。また、非効率な化石燃料への補助金の自主的な停止に向けて取り組むことに合意した点についても強調した。

アーダーン首相は「APEC首脳は、新型コロナウイルスに打ち勝ち、経済回復を加速化するとともに、気候変動問題へ対処し、全ての人々を包摂した成長を実現するため、協力を強化することを確認した」と総括した。また、「アオテアロア行動計画によって、脱炭素化や先住民族のエンパワーメントなど、アジア太平洋地域の将来の世代を支援する」と述べた。

なお、2022年の議長国はタイが務める。

(注)アオテアロア(Aotearoa)は、ニュージーランド(島)のマオリ語呼称で、「白く長い雲がたなびく土地」を意味する。

(住裕美)

(ニュージーランド)

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