急成長IT企業の地方税オンライン納付システム稼働

(ルーマニア)

ブカレスト発

2021年11月16日

EU理事会(閣僚理事会)がルーマニアの292億ユーロ規模の国家復興・レジリエンス計画(PNRR)を承認したことを欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長が10月28日、自身のツイッターに投稿した。PNRRに沿って電子政府化を進めるルーマニアでは、自治体と住民をつなぐポータルサイト「レジスタ」(the Regista e-Government portal)の新しい機能として、地方税や罰金のオンライン納税モジュールを10月に稼働開始した。

レジスタを開発したIT企業ジーテック(Zitec)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますのアレクサンドル・ルプシャン最高経営責任者(CEO)はジェトロに対し、レジスタは10月末で既に国内全41県、750機関に導入されており、累計処理件数は1,600万件、1日当たり1万5,000人が利用していると述べた。10月に稼働したオンライン納税システムは納税額算出根拠が分かりやすくなり、支払方法が簡便かつ手数料不要なことから、自治体にとっても住民にとっても大きな負担軽減になる。

ジーテックは7月14日、マイクロソフトから「LinuxおよびオープンソースデータベースのMS Azure 移行高度専門性(Linux and Open Source Databases Migration to Microsoft Azure Advanced Specialization)」認証を取得した。これは世界でもまだ20社しか与えられていない認証でルーマニアでは同社が初めてとなる。

ジーテックの技術によって、例えば、ルーマニアの宅配業界大手セイムデイ(Sameday)は業務ソフトウエアのクラウド移行や、街中のロッカー置配方式を開発したことで、ブラックフライデーなどの受注集中期にもシステムがダウンすることなく、高速・大量の処理が可能となった。その結果、売り上げが増加した一方、ITシステムコストを20%節減したという。

ジーテックは、ブカレスト証券取引所が2017年から毎年主催している「メード・イン・ルーマニア」表彰で、9月16日に発表された2021年受賞15社の1社に選出された。企業規模を問わず起業家精神を発揮し成長した企業に贈られるこの賞は今回、9,000票以上の一般投票と12人の専門家によって審査された。

ルプシャンCEOは2003年に24歳で同社を設立、2020年の売上高は前年比53.8%増の1,072万ユーロを達成した。従業員数は250人で、北南米、欧州、中東、アフリカの計30カ国に顧客を持つ。アジアにはまだ顧客はなく、ジェトロに対し「18年間、流通、金融、医療、行政などあらゆる業種のサービスを開発してきた経験を生かして、日本からの受注を目指したい」と述べた。

ジェトロは7月28日、在外日本企業を対象にルーマニアオフショア開発ウェビナーを開催した。それ以降、ジーテックを含む13社のルーマニアIT企業(2021年11月16日記事2021年11月9日記事2021年10月25日記事参照)と、オフショア開発を検討している日本企業とのビジネスマッチングを2022年2月末まで実施しており、期間中を通して欧米やアジアなどに立地する在外日本企業の参加申し込みを受け付けている(添付資料参照)。

(西澤成世)

(ルーマニア)

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