第3四半期のGDP成長率、前年同期比11.4%、内需と輸出の拡大が下支え

(ペルー)

リマ発

2021年11月25日

ペルー国家統計情報庁(INEI)は11月22日、2021年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率は前年同期比11.4%増と3期連続のプラス成長を記録したと発表した(添付資料表1参照)。第2四半期(4~6月、2021年8月30日記事参照)に引き続き民間消費や政府消費、総固定資本形成など内需の伸びが牽引役となった。また、新型コロナウイルスのパンデミック前の2019年同期と比べても1.6%のプラス成長だ。

INEIによると、この成長は雇用の回復(第3四半期の就業率は前年同期比16.9%増加、平均収入額も同14.8%増加)によって、民間消費が前年同期比で11.8%増加して内需を下支えしたことや、医療や教育費などの政府消費(6.6%増)、公共投資を中心とした総固定投資(24.1%増)などが牽引したことが背景にあるという。また、貿易面でも、ペルーの主要貿易相手国である中国や米国を含む世界経済の回復により、鉱物や石油、天然ガスなどの伝統産品を中心とした財貨とサービスの輸出が9.2%増加した。

経済活動別では、農業分野が前年同期比で9.7%増加(添付資料表2参照)。特に外国からの需要増加によりブルーベリー、アボカド、トウモロコシ、アスパラなどの生産量が増加した。鉱業分野では金鉱、銀鉱、鉄鉱、錫鉱、銅鉱などの生産量増加に伴い、4.4%成長。建設分野も鉱山会社の土木工事や、道路や水道インフラなどの公共事業の増加により23.2%増加。また、レストラン・ホテル分野は99.4%増と、新型コロナウイルスのワクチン接種効果による感染者数の低下と政府規制の緩和などによる観光客の増加が背景にある。

写真 消費が活性化し、市場にも活気が戻る(リマ市内のパラーダ卸売市場、ジェトロ撮影)

消費が活性化し、市場にも活気が戻る(リマ市内のパラーダ卸売市場、ジェトロ撮影)

写真 市場にもワクチンの職域接種会場を設置し、接種促進をはかる(ジェトロ撮影)

市場にもワクチンの職域接種会場を設置し、接種促進をはかる(ジェトロ撮影)

(設楽隆裕)

(ペルー)

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