日系自動車メーカー3社、サザン・オートモーティブ・カンファレンスで北米事業の動向を紹介

(米国)

アトランタ発

2021年11月01日

米国南東部4州(アラバマ、ジョージア、テネシー、ミシシッピ)の自動車製造業協会共催による「サザン・オートモーティブ・カンファレンス(SAC)」が、10月13~15日にアラバマ州バーミンガムで開催された。2020年は新型コロナウイルスの影響により中止になり、2年ぶりの開催となった。展示会には100社を超える自動車関連企業・団体が出展し、ジェトロが設置したジャパンブースでは、日系自動車関連企業9社が製品展示を行った。また、会期中に展示会と並行して開催されたカンファレンスでは、南東部に製造拠点を置く完成車メーカーによる基調講演が行われ、日系メーカーからはトヨタ、マツダ、ホンダの3社が米国市場における各社の最新動向を紹介した。

マツダ・トヨタ・マニュファクチャリング(MTM)のバイス・プレジデント(管理部門担当)、マーク・ブラジール氏は、2021年9月にアラバマ州ハンツビルの新工場において新型SUV(スポーツ用多目的車)カローラ・クロスの生産(2021年6月9日記事参照)を開始したことを紹介した。2020年の「新型コロナ禍」には、従業員のみならず、建設工事ピーク時に約2,000人いた建設現場の作業員の安全と健康を確保した点や、米国と日本の工場での新規採用従業員向けの研修が延期・中止となる中でオンライン研修を導入した点など、生産開始に至るまでに乗り越えてきた困難を語った。また、これまでに約2,600人の従業員を採用しており、2022年の半ばまでには4,000人まで増やす計画を示した。

マツダ・ノース・アメリカン・オペレーションズ(MNAO)副社長の梅下隆一氏は、ハンツビルの新工場における新型クロスオーバーSUV「CX-50」の生産発表(注)について紹介した。ワイドボディの新型クロスオーバーSUVである CX-70、CX-90と同様に、CX-50は米国消費者のアウトドア生活様式に見合った、米国市場に向けて特別にデザインされた車種であることを説明した。さらに、マツダ初のバッテリー式電気自動車(BEV)となる「MX-30」についても言及し、MX-30が同社にとって新時代の扉を開くと語った。

ホンダ・ディベロップメント・アンド・マニュファクチャリング・オブ・アラバマの副社長兼プラントリードのボブ・シュウィン氏は、アラバマ工場がこれまでに500万台以上の自動車とエンジンを生産してきたことを紹介。2021年は同工場での生産開始から20周年という節目を迎える中、自動車業界が電動化という岐路に直面していることに言及し、ホンダとして掲げている、2040年までに電気自動車(EV)・燃料電池自動車(FCV)の販売比率100%の達成に向けて取り組むことを強調した。内燃機関自動車の売り上げは徐々に減る一方で、EVの売り上げが増加する見通しを示した。

(注)10月7日付マツダ社プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで発表され、生産開始は2022年1月予定とされている。

(石田励示)

(米国)

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