上半期の外国直接投資申請額は前年同期比3.9倍に

(タイ)

バンコク発

2021年08月17日

タイ投資委員会(BOI)は8月9日、2021年上半期(1~6月)のタイへの外国直接投資統計を公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。申請ベースでは、投資額が前年同期比3.9倍の2,787億バーツ(約9,197億円、1バーツ=約3.3円)、投資件数が6.3%減の403件となった(添付資料表1参照)。

申請額を国・地域別にみると、日本は前年同期比94.3%増の428億バーツとなり、シェア15.3%で首位だった。米国は15.7倍の241億バーツで、シェア8.7%の2位と、中国は28.5%増の186億バーツで、シェア6.7%の3位になった。

認可ベースでは、投資額が前年同期比21.0%減の1,269億バーツ、投資件数が29.7%減の377件となった(添付資料表2参照)。投資額を国・地域別にみると、中国は30.9%減の244億バーツで、シェア19.3%の首位となった。日本は30.3%減の240億バーツで、シェア18.9%の2位だった。

日本の大型案件としては、石油化学品製造(31億バーツ)、特殊糸または布の製造(26億バーツ)、微生物/動物/植物の細胞を使用した分子生物学、生物学的活性物質の研究開発・製造(20億バーツ)、輸送機器用ボールベアリング製造(17億バーツ)などがあった。投資額シェア1位の中国は、タイヤ製造(73億バーツ)、太陽光機器・同部品製造(3つのプロジェクトの合計で94億バーツ)など、シェア3位の米国は、環境配慮型化学品またはポリマーの製造(196億バーツ)などがあった。

タイ政府が産業高度化を目指す「タイランド4.0」においてターゲット産業とする12分野の投資状況をみると、タイ資本も含めた投資申請ベースではバイオテクノロジーが大きく伸びた(9.5倍、207億バーツ)。また、石油化学・化学(6.8倍、282億バーツ)、観光(3.5倍、143億バーツ)、医療(3.3倍、430億バーツ)、電気電子・エレクトロニクス(2.4倍、610億バーツ)、デジタル(2.2倍、11億バーツ)も大幅に増えた(その他、認可ベースでの詳細などは添付資料表3~6参照、2021年5月26日記事参照)。

(高谷浩一、トンワニッチャノッパクン・ニチャーパッタラ)

(タイ)

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