2021年1~9月の輸出は前年同期比35.9%増
(トルコ)
イスタンブール発
2021年11月05日
トルコ統計機構(TUIK)の発表(10月27日付、暫定値)によると、2021年1~9月の輸出は前年同期比35.9%増の1,609億5,100万ドル、輸入は23.7%増の1,933億100万ドルとなり、貿易赤字は14.6%減の323億5,100万ドルとなった。なお、9月単月では、輸出が前年同月比30.0%増(207億8,000万ドル)、輸入が11.9%増(233億2,800万ドル)で、輸出入ともに好調に伸びている。
1~9月の輸出を品目別にみると、鉄鋼が前年同期比96.0%増と最大の寄与になった(添付資料表1参照)。他方、米国とEUによる鉄鋼・アルミニウム貿易での合意(2021年11月2日記事参照)により、今後トルコの輸出競争力がそがれるとの懸念も出ている。その他、一般機械(31.8%増)、自動車(22.4%増)、金を中心とした貴金属(59.8%増)、プラスチック製品(47.5%増)、電気機器(34.9%増)といった主力品目が軒並み2桁増だった。
輸出を国・地域別にみると、全体の41.7%を占めるEU向けが、自動車・同部品、衣類、化学品、鉄鋼などで大きく伸ばしており、37.2%増だった(添付資料表2参照)。特に、ドイツ、イタリア、スペイン、フランス、オランダが好調だった。また、米国、英国なども堅調で、輸送コスト上昇によるサプライチェーン再編と現地通貨トルコ・リラの主要通貨に対する減価が、欧米向けを中心とした輸出産業に寄与している。
輸入を品目別にみると、最大の輸入品目である鉱物性燃料が、国際エネルギー市場の高騰を受けて、3月以降に急増が続いており、46.2%増だった(添付資料表3参照)。国内の電力ガス価格も相次いで価格が上昇している。また、世界的な原材料価格の高騰で鉄鋼も85.9%増と伸びている。その他、一般機械(29.8%増)、プラスチック製品(50.2%増)、電気機器(22.9%増)といった主要品目も2桁増と大きく伸ばしている。国・地域別では、中国からが43.5%増、ロシアも57.2%増と好調だった(添付資料表4参照)。EUも、ドイツ、イタリア、フランスを中心に26.2%増となり、主要国はほぼ軒並み2桁増だった。
(中島敏博)
(トルコ)
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