マツダ、北米向け新型クロスオーバーSUVを発表、米国では初の生産に

(米国)

アトランタ発

2021年11月22日

マツダの北米事業を統括するマツダノースアメリカンオペレーションズ(MNAO、本社:カリフォルニア州アーバイン)は11月15日、米国で生産する初のマツダ車となる新型クロスオーバー・スポーツ用多目的車(SUV)「MAZDA CX-50」を公開した。総額約23億ドルを投じてアラバマ州ハンツビルに建設した、トヨタ自動車との合弁であるマツダ・トヨタ・マニュファクチャリング(MTM)の新工場で2022年1月に生産を開始する。同工場ではマツダとトヨタがそれぞれ年間最大15万台ずつ生産する予定で、将来的な従業員数は4,000人に達する見込みとなっている(2021年6月9日記事参照)。

MNAO社長兼CEO(最高経営責任者)のジェフリー・ガイトン氏は「この新型マツダ車は北米の顧客の、特にアクティブでアウトドアなライフスタイルをサポートするために開発された」と説明。SUVらしい存在感やオフロード性能を求める米国顧客のニーズを取り込んだのが特徴だ。アウトドア活動を楽しめるよう、車両は一般的なアウトドア用品を積み込みやすい高さと長さに設計し、積載性を高める高強度のルーフレールを装備するほか、パノラマサンルーフを採用している。走行面では、同社が新開発した「MAZDA INTELLIGENT DRIVE SELECT(Mi-Drive)」を搭載し、スイッチの操作で任意に走行モードを切り替えることができる。オフロードモードはトラクションを重視し、高い走破性が得られるため、未舗装路や深雪道などの悪路での走行に適しているという。エンジンはガソリンの自然吸気エンジンとターボエンジンだが、今後数年以内にハイブリッドモデルを含む電動パワートレインも採用する予定だ。

アラバマ州には2021年9月にカローラ・クロスの生産を開始したMTMのほか、メルセデス・ベンツ、ホンダ、現代が完成車工場を構えており、同州商務省によると、州全体での生産能力は年間約100万台に達するという。今回の発表を受け、同省のグレッグ・キャンフィールド長官は、MTMは成長する同州の自動車産業に対して既に厚みを与え始めているとし、「マツダとトヨタの画期的なコラボレーションにより、世界的に重要な地位を占めつつあるアラバマ州の自動車産業はさらに大きく成長するだろう」と期待を示した。

(高橋卓也)

(米国)

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