米ウェイモ、ニューヨーク公道で自動運転車両走行の準備を開始

(米国)

サンフランシスコ発

2021年11月09日

米国の自動運転技術開発のウェイモ(本社:カリフォルニア州マウンテンビュー)は11月3日、ニューヨーク市内で4日から自動運転車両走行に必要な道路上のデータを集める「マッピング」を開始すると発表した。

マッピングは、道路の距離や幅、道路周辺の様子、標識や歩道など自動運転に必要な路上の情報を収集し道路状況を学習することで、ウェイモ用の詳細な地図を作成するものだ。マッピングで事前に得た情報と、車両の感知・認知機能の両方でウェイモの自動運転車両をよりスムーズかつ予測どおりに走行させることができる。また、マッピングすることで、自動運転車両が実際に走行する際に、歩行者や他の車両など動く物体により集中することが可能となる。

マッピングに使用される車両は、同社の自動運転技術「ウェイモ・ドライバー(注)」を搭載したハイブリッドのクライスラー・パシフィカとゼロ・エミッション車両(ZEV)のジャガー・I-PACEになる。主にセントラルパークの南側、ファイナンシャル・ディストリクトまでのエリアを人が運転して走行する予定だ。同社は、雨や雪の多いニューヨークの気候や、人口が密集し交通量も多いマンハッタンを走行することは、ウェイモ・ドライバーの改良にもつながると期待する。

11月2日のニューヨーク市長選挙で当選が確実となったエリック・アダムス氏(2021年7月9日記事参照)は「自動運転車両は、交通の流れを劇的に改善し、多くのニューヨーカーが便利で手頃な価格の交通手段を利用する機会を拡大すると期待できる。ウェイモをニューヨークに迎えることをうれしく思う」と歓迎した。

ウェイモは、2021年6月にはテキサス州で自動運転トラックの試験運用を始め(2021年6月21日記事参照)、8月にはサンフランシスコで自動運転配車サービスを試験的に開始している(2021年8月27日記事参照)。

(注)360度センサーと長距離カメラで500メートル以上先の歩行者や一時停止標識なども認識できる自動運転システム。最新版は第5世代。

(田中三保子)

(米国)

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