米カリフォルニア州、全生徒へ新型コロナワクチン接種の義務化を発表

(米国)

サンフランシスコ発

2021年10月06日

米国カリフォルニア州政府は10月1日、米国食品医薬品局(FDA)が、対象年齢への新型コロナウイルスのワクチン接種を正式承認した場合、対面授業を受ける全ての生徒に原則、接種を義務付ける方針を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(注)。ギャビン・ニューサム知事は、麻疹やおたふく風邪、風疹などのワクチンと同様、新型コロナウイルスワクチンも接種義務化対象のワクチンのリストに追加するよう、公衆衛生局に指示した。第1段階として、グレード7~12(12~18歳)の生徒に、2022年7月1日から義務化する予定としている。同州では、既に南部のロサンゼルスやサンディエゴなどの学区が、生徒にワクチン接種を義務化する方針を発表している。

州政府の方針を受けて、カリフォルニア州PTA(California State Parent Teacher Association)は「州内の子供や家族の健康・安全を守るためワクチン接種を支持する」との声明を発表した。また、カリフォルニア州教職員協会(California Teachers Association)のE.トビー・ボイド会長は「教育と学習は対面形式が最も効果的だ。新型コロナウイルスワクチンは、生命を脅かす病気を防ぎ、学校で安全に対面授業を続けるために実証済みの手段だ」との声明を発表した。

州の発表によると、現在の2021~2022年の学期に入り、州のほとんどの学区で95%以上の生徒が対面授業に戻っている。2020年は新型コロナウイルス感染拡大以降、多くの学校でオンライン形式での授業が行われていた。日系企業の駐在員などの親からは、「子供がオンライン授業に集中していない」「(オンライン授業では)子供に友だちができない」「子供の世話に時間をとられ、仕事に支障が出ることもある」などの声も聞かれた。他方、対面授業に対して、感染への不安を挙げる声も出ていた。

同州では2021年8月、全ての教職員に対して原則、ワクチン接種証明、または、少なくとも週1回の検査結果の提出を義務化する命令が出された(2021年8月12日記事参照)。ニューサム知事は10月1日の会見で、生徒と同様、教職員にもワクチン接種を義務化し、検査結果の提出により接種を回避する選択肢をなくす方針も示した。

(注)現時点でFDAは、ファイザー・ビオンテック製の新型コロナウイルスワクチンの16歳以上への使用を正式に承認している(2021年8月24日記事参照)。

(石橋裕貴)

(米国)

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