局地的な電力不足継続も示唆

(中国)

北京発

2021年10月20日

中国の国家発展改革委員会(発改委)と国家エネルギー局、国務院国有資産監督管理委員会、国家鉱山安全監察局、国家電網は10月13日の国務院政策定例ブリーフィングで、2022年春までの石炭や電力の供給見通しなどについて説明した。

国家エネルギー局の余兵副局長は「10月に入り、電力需給の逼迫状況は多少緩和されている。現在の発電用石炭の在庫量は8,199万トンで、(中国で使用する)15日分の電力を賄うことができる」と説明した。

国家電網の李明副技師長は、2021年冬季の最大電力負荷は10億キロワット(kW)に達し、冬季の過去最高(9億7,000万kW)を上回るとの見通しを示した。その上で「電力需給はタイトな状況になり、局地的な電力不足が生じる可能性があるなど、電力の安定供給に対する圧力が高まっている」と説明した。また、9月以降の電力需給逼迫を受けて、中国の31省・直轄市・自治区のうち17地域(注1)で何らかの電力供給制限を実施中と明らかにした。こうした状況を受け、発改委の趙辰昕秘書長は「家庭用の電力とガスの安定供給を保障し、必要時には非家庭用を調整して家庭向けの供給を確保するよう地方政府や企業を指導する」と述べた。

2022年春までの石炭供給について、趙秘書長は、山西省や内モンゴル自治区、陝西省などでは、現在のニーズに基づき、増産余力のある炭鉱は速やかに増産し、生産を一部停止している炭鉱は法規にのっとって是正措置を取った上で早期の生産再開を促すなどしていると説明した。その上で「2022年春までの石炭供給は保障されており、エネルギー供給もしっかりと保障できる」と述べた(注2)。

国家鉱山安全監察局安全基礎司の孫慶国司長は「特殊な状況を踏まえ、976カ所の炭鉱について審査を行ったところ、153カ所が安全な供給を保障できる条件を満たしていることが判明した。これら炭鉱の年間生産能力は約2億2,000万トンで、2021年第4四半期(10~12月)の石炭生産量は5,500万トンの増加(1日平均60万トンの増加)が見込まれる。石炭の需給緩和や価格上昇抑制にプラスに働く」と述べた。一方で「供給を保障する名目で勝手に炭鉱の安全基準を緩めることには断固禁止する」とも強調した。

このほか、石炭増産による中国の二酸化炭素(CO2)排出のピークアウトやカーボンニュートラル目標達成への影響について、趙秘書長は「中国は安全で安定したエネルギーの供給を保障することができると同時に、既定の目標も計画的に達成することができる」と強調した。

(注1)17地域の詳細は発表されていない。

(注2)10月8日の国務院常務会議で、石炭増産など2022年春までの電力と石炭の安定供給に向けた対応方針と措置が示されていた(2021年10月15日記事参照)。

(趙薇)

(中国)

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