沿海地方議会選挙で共産党が躍進

(ロシア)

モスクワ発

2021年10月08日

ロシアで、下院選挙とともに9月17~19日に実施された沿海地方議会選挙(議員定数40、任期5年、小選挙区比例代表並立制)の最終結果が9月29日に発表された。与党の統一ロシアが過半数を維持したものの、同党だけで議会の成立が可能となる3分の2の議席を獲得することはできなかった(添付資料表参照)。

他の党は、共産党が改選前と比べて6議席増と躍進、その一方で自由民主党は4議席を失った。

比例代表での政党別得票率では、統一ロシアは37.88%と下院選挙での比例代表得票率(49.82%)を下回った(2021年9月28日記事参照)。逆に、共産党は31.02%を獲得し、下院選挙の18.93%を上回った。小選挙区では、30の議席を統一ロシアと共産党の2党で占めた。

結果について、地元政治評論家の見解が分かれた。政治学者のビクトル・ブルラコフ氏は、同時期に行われた極東地域での地方選も含め驚きはないとした上で、「比例代表での統一ロシアの得票は地方によりばらつきがあるが想定の範囲内で、勝つはずの者が全て勝った」と述べ、統一ロシアが勝利したとの見方を示した。同じく政治学者のアンドレイ・クディソフ氏は「共産党への支持票というより、統一ロシアへの反対票が投じられた」と、統一ロシアの支持下落が選挙結果に表れたと分析した(プリマメディア9月24日)。

今回の投票率は41.96%で、前回2016年の選挙と比べ4.88ポイント高かった。

(タギール・フジヤトフ)

(ロシア)

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