ミュンヘン市内のインキュベーション施設、ニーズ受け増築

(ドイツ)

ミュンヘン発

2021年10月19日

ドイツ南部バイエルン州ミュンヘン市内のデジタル関連スタートアップ向けインキュベーション施設「ヴェルク1(WERK1外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」が拡張されることとなり、10月7日にローランド・バイゲルト同州経済省次官も出席して定礎式外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが行われた。

増築される新施設は「ヴェルク1.4(WERK1.4)」の名称で、約7,000平方メートルの拡張となる。2023年までに完成予定。企業入居施設やイベントスペースのほか、上階に住居スペースも設ける。スタートアップ企業の従業員が住むことができるため、一般的に住宅不足で家賃が高騰するミュンヘンでの住居探しが不要になる。このため「ヴェルク1」は国外からのデジタル人材も働きやすくなるとしている。

新施設のもう1つの特徴は、成長ステージ(注)の企業の入居も認める点。「ヴェルク1」は将来有望なデジタル関連技術を有するか、ビジネスモデルに可能性があるかなどの審査をした上で入居を認め、かつ、入居期間は最長2年に限定。これまでは入居企業数の制限から、アーリーステージの企業に限定せざるを得なかった。増築により成長ステージの企業の入居も可能になるという。

「ヴェルク1」に入居するスタートアップ企業外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは現在約35社。航空機向け電気推進システムを開発するエレクトリック・フライトレイン(Electric Flytrain)や、人工知能(AI)の活用により食品の過剰生産削減に取り組むデリシャス・データ(Delicious Data)などだ。「ヴェルク1」を卒業したスタートアップ企業は約30社で、その8割以上は引き続きミュンヘンで活動している。

「ヴェルク1」は2012年に設立された。株主にはバイエルン州政府(26%)やミュンヘン市、ミュンヘン郡(それぞれ10%)などが含まれ、同州のスタートアップ支援機関であるバイスタートアップ(BayStartUP外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)や、ドイツ銀行、マイクロソフトなどの民間企業とも協力関係にある。現在の敷地面積は、入居施設とイベントスペースが5,350平方メートルで、コワーキングスペースが400平方メートル。市中心部から近郊電車で約8分という好立地の再開発地区にある。

ミュンヘン市内では2021年6月、イノベーション・協業を促す施設が新設された(2021年7月7日記事参照)。また、米国アップルが2021年3月、ミュンヘンの拠点の拡張と研究開発に今後3年間で10億ユーロ以上を支出することを発表するなど(2021年3月18日記事参照)、イノベーション拠点としてのミュンヘンにさらに注目が集まっている。

(注)ベンチャー企業の成長段階(ステージ)は、シードステージ、アーリーステージ、成長ステージ、レイターステージに分類される。

(クラウディア・フェンデル、高塚一)

(ドイツ)

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