2020/2021年度の外国直接投資認可額は前年度比22.3%減に

(ミャンマー)

アジア大洋州課

2021年10月13日

ミャンマー投資企業管理局(DICA)が10月8日に発表した2020/2021年度(2020年10月~2021年9月、注1)の外国直接投資統計によると、同年度のミャンマー外国直接投資認可額〔ティラワ経済特区(SEZ)除く〕は、前年度比22.3%減の約37億9,100万ドルとなった(添付資料表1参照)。

投資認可国・地域については、前年度の2019/2020年度は25の国・地域からの投資が認可されたが、2020/2021年度は14にまで減少している。また投資認可額は、近年のピークである94億8,612万ドル(2015/2016年度、注2)の約4割の規模にとどまる低調なものだ。

2019/2020年度の統計を下方修正

DICAは、本統計の発表と同時に、2019/2020年度の投資統計を前年度にさかのぼって修正・発表した。これにより、2019/2020年度の投資認可額は、55億2,597万ドル(2021年9月発表)から6億4,500万ドル減少し、48億8,097万ドルに修正された。

この統計の修正は、電力セクターで認可されていた6億4,500万ドルの日本の投資が取り下げられたことによるもの(添付資料表2参照)。

国軍の権力掌握後は低調な月が続く

2020/2021年度が始まった2020年10月は、ミャンマーの新型コロナウイルス感染拡大第2波開始と重なり、ビジネス環境は大きく悪化した。さらに2021年2月の国軍による権力掌握による治安の悪化と経済の混乱は、外国企業の投資マインドを一層冷え込ませた。

2020~2021年度政変以前(2020年10月~2021年1月)の外国直接投資認可額は、月平均約1億6,800万ドルだったが、政変以降は、2月から8月にかけて、3月(5億8,400万ドル)と5月(25億200万ドル)を除き、0もしくは1,000万ドルにとどかない低調な水準にとどまっていた。直近9月の新規投資認可は3件で合計額は2,387万ドルだった。内訳は、中国287万ドル、シンガポール100万ドル、韓国2,000万ドルで、いずれも製造業だ。

引き続きミャンマー向け直接投資は活発な動きはみられないが、今後は認可済み投資の取り下げの動きについても注視する必要があるだろう。

(注1)ミャンマーの会計年度は2018/2019会計年度から、10月~9月の1年間。

(注2)2015/2016年度の会計年度は4月~3月の1年間で、集計期間が2020/2021年度と同一ではないことに注意。

(アジア大洋州課)

(ミャンマー)

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