カスティージョ政権、中央準備銀行のベラルデ総裁を再任

(ペルー)

リマ発

2021年10月13日

ペルー首相府(PCM)は、中央準備銀行(BCR)の総裁に現職のフリオ・エミリオ・ベラルデ・フローレス総裁を再任し、10月8日に大統領決議第148-2021-PCM号を官報公示して正式に決定した。

また同日、大統領決議第149-2021-PCM号も公布し、政権側が任命するBCRの理事会(注)メンバー4人のうち3人をエコノミストのロクサナ・マリア・イルマ・バランテス・カセレス氏〔カトリカ大学教授、ペルー問題研究所(IEP)主任研究員、国営石油会社ペトロペルー(PETROPERU)元副社長〕、ホセ・イグナシオ・タバラ・マルティン氏〔カトリカ大学教授、ペルー公正競争知的財産保護庁(INDECOPI)元理事、経済社会研究コンソーシアム(CIES)元理事長〕、ヘルマン・アレハンドロ・アラルコ・トソーニ氏〔パシフィコ大学大学院教授、ペトロペルー元理事、元国家戦略計画センター(CEPLAN)長〕とすることを定めた。議会が任命する3人については、「経済・銀行・金融・財務情報委員会」が候補者の任命基準を定めた報告書をまとめているが、任命には至っていない。

ベラルデ氏は米国ブラウン大学の経済学修士号と博士号を有し、ドイツのキール世界経済研究所に所属しているエコノミストで、2006年に初めてBCR総裁に就任した。その後、同行トップを15年間勤めており、2015年には「ファイナン・シャルタイムズ」の金融専門誌「The Banker」が選出する年間最優秀中央銀行総裁となった。2020年には再び同誌から米州最優秀中銀総裁に選出されている。ベラルデ氏の続投について、多くの経済団体や専門家は内閣改造(2021年10月8日記事参照)とともに好意的に受け止めており、対ドルで通貨ソル安基調が続いていた外国為替市場も続投の一報を受けた翌日にはソル高に転じた。政治不信の中、ベラルデ総裁の再任は経済の安定化への第一歩として期待が寄せられている。

(注)ペルー憲法第86条は、BCR理事会7人(総裁を含む)のうち総裁を含む4人は政権側、残り3人は議会に任命権を付与している。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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