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年平均4.5~5.5%のGDP成長率を目標に

(マレーシア)

クアラルンプール発

2021年10月12日

過去最多の開発予算を投じる「第12次マレーシア計画(以下、12MP)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」では、期末までに達成すべき多元的な数値目標として8つの項目が提示されている(添付資料表参照)。12MPでは、新型コロナウイルスからの回復と経済成長を柱としており(2021年10月12日記事参照)、5年間のGDP成長率は4.5~5.5%を目指す。第11次マレーシア計画では、新型コロナの影響で2016~2020年の年平均GDP成長率は2.7%と、目標達成に至らなかった。イスマイル・サブリ首相は「経済を長期的な成長軌道に乗せるべく、より包括的な政策と戦略の立案が必要だった」と述べている。

MP12では、グリーン成長の推進にも触れている。具体的には、低炭素かつクリーンな開発推進、天然資源の効率的な管理による資源資本の保全、実効的なガバナンスのための環境整備を掲げた。その実体的な目標として、2050年までのカーボンニュートラル達成を目指し、温室効果ガスの排出量を2005年基準で45%削減する。これに向け、新規の石炭火力発電所の建設を凍結し、再生可能エネルギー比率を全発電能力の31%まで引き上げる。

目標達成には懐疑的な見方も

他方で、いくつかの数値目標に対し、その設定方法や達成可能性に疑問を呈する声もある。例えば、12MPでは、平均世帯月収を期末までに1万65リンギ(約26万1,690円、1リンギ=約26円)に引き上げるとしている。ただ、専門家からは「平均値では高所得層の収入に影響されるため指標として意味がない」「中央値を参照すべき」といった指摘がある。新型コロナ前の2019年の世帯月収は、平均値では7,901リンギだったが、中央値では5,873リンギと差が大きい。いずれにしても、「世帯月収が2022年に2019年水準まで回復したとしても、期末までに目標を達成するには年率8.2%の上昇が必要で非現実的」との声もあり、野心的な目標だとの見方が大半を占める(「マレーメール」紙10月1日)。

また、産業の高付加価値化の一環として、低スキル外国人労働の受け入れを制限することも政府は提唱している。統計局によれば、2020年時点の全労働者数に占める外国人の比率は14.0%。12MPに付随するスピーチPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で同首相は、長期的にもこの数字を15%以下に抑えることを表明した。しかし、マレーシア経営者連盟(MEF)からは、外国人労働力の制限は国の競争力を低下させかねないとの懸念が表明されている(「マレーシア・リザーブ」紙10月1日)。

(吾郷伊都子、エスター頼敏寧、関淑怡)

(マレーシア)

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