ニューサウスウェールズ州首相が交代

(オーストラリア)

シドニー発

2021年10月06日

オーストラリア最大都市シドニーを州都とするニューサウスウェールズ(NSW)州で10月5日、同州財務相のドミニク・ペロテット氏が新たに州首相へ就任した。39歳のペロテット氏は、NSW州で史上最年少の州首相となった。

2017年からNSW州首相を務めてきたグラディス・ベレジクリアン氏は10月1日、同州の腐敗防止独立委員会(ICAC)が同氏に対する調査の実施を公表したことから、突如として辞任を発表した。ICACは、2012年から2018年までの間に提供された地域団体への助成金について、ベレジクリアン氏の関与による信用失墜行為があったかどうかを調査するとしている。ベレジクリアン氏は「パンデミックの困難な最中に辞任することは全く本意ではないが、ICACの調査を受ける立場となっては、NSW州のリーダーとして常に心掛けていた最高レベルの誠実さを示すことができないため、非常に難しい決断を下した」と述べた。

写真 感謝を伝える住民のメッセージや花束が置かれたベレジクリアン氏の事務所前(ジェトロ撮影)

感謝を伝える住民のメッセージや花束が置かれたベレジクリアン氏の事務所前(ジェトロ撮影)

ペロテット新州首相は「これまで進めてきた行動制限緩和計画(2021年9月29日記事参照)を継続し、経済の再開と回復を推進することが最優先事項だ」と述べ、インフラ開発や、労働者や世帯の支援などに注力する姿勢を示した。

連邦政府も内閣改造、産業・科学・技術担当を振り分け

連邦政府のスコット・モリソン首相は10月1日、産業・科学・技術担当相を務めていたクリスチャン・ポーター氏の閣僚辞任を受け、エネルギー・排出削減相のアンガス・テイラー氏に産業担当を、国防産業相のメリッサ・プライス氏に科学・技術担当をそれぞれ振り分けると発表した。ポーター氏は、過去の性的暴行疑惑浮上によって、2021年3月に法務・労使関係担当相から産業・科学・技術担当相に変わっていた(2021年3月31日記事参照)。

(住裕美)

(オーストラリア)

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