9月の新エネルギー車販売、乗用車全体に占めるシェアは2割突破

(中国)

上海発

2021年10月20日

中国の自動車業界団体の乗用車市場信息聯席会(CPCA)は10月12日、9月の乗用車販売概況を発表した。これによると、乗用車の新車販売(小売りベース)は前年同月比17.3%減の158万2,000台、うち新エネルギー車(NEV、注)が3倍増の33万4,000台と急増した。乗用車販売におけるNEVの占有率は21.1%と2割を突破し、2020年通年の5.8%から大幅に上昇した。

1~9月の新車販売台数は前年同期比12.0%増の1,448万6,000台、うちNEVは約3倍の181万8,000台と急増した。

中国が2020年11月に発表した「新エネルギー車産業発展計画(2021~2035年)」では、2025年までに自動車販売全体におけるNEV占有率を20%前後にするとの方針を定めている。販売不振が続くガソリン車に対し、NEVの需要は好調で、中国自動車工業協会(CAAM)が発表した1~9月の累計販売台数が自動車販売全体に占める割合は、11.6%に達した(2021年10月14日記事参照)。中国電動自動車百人会の張永偉副理事長兼秘書長は「2025年を待たずに目標を達成する可能性もある」と指摘している(中国経済網9月16日)。

また、CPCAは前述の発表でNEVの電力消費状況を明らかにした。8月のNEV向け充電施設の電力消費量は前年同月比34.3%増の9億8,900万キロワット時で、中国全体の消費量に占める割合はわずか0.13%だった。CPCAは、統計対象でない家庭部門の充電量を合算しても当該比率は0.2%にとどまると推測、社会全体の電力利用に及ぼす影響はほとんどないとしている。

(注)NEVは電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、燃料自動車(FCV)の3種類を指し、ハイブリッド車(HV)を含まない。

(劉元森)

(中国)

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