9月の自動車市場、電力制限や半導体不足で前年同月比減少続く

(中国)

上海発

2021年10月14日

中国自動車工業協会(CAAM)が10月12日に発表した9月の自動車販売台数は前年同月比19.6%減の206万7,000台(添付資料図参照)、生産台数は同17.9%減の207万7,000台で、いずれも前年同月比5カ月連続の減少だった。ただし、前月比では生産・販売ともに2桁増となっており、例年同様、年後半に向けて生産・販売とも増加していく傾向はみられる。

9月の自動車市場について、CAAMは「エネルギー消費量とGDP単位当たりのエネルギー消費量(エネルギー強度)の削減目標、石炭不足、石炭価格と売電価格の逆転現象により、全国的に実施されている電力制限の影響を受けている。また、コモディティー価格の高値安定、国際物流のコスト高などに加え、特に自動車産業は引き続き半導体不足の影響を受けている。今月(10月)についても、半導体の供給はやや落ちついたものの、生産ニーズには応えきれていない。引き続き実施されている電力制限も一定の影響を与えている」と説明した。

自動車販売台数の内訳は、乗用車が前年同月比16.5%減の175万1,000台、商用車が33.6%減の31万7,000台だった。うち、新エネルギー車は1.5倍の35万7,000台となり、8月に続いて単月で30万台を超えて過去最多になった。新エネルギー車の1~9月の累計販売台数は215万7,000台と200万台を突破し、自動車販売台数の全体に占める割合は11.6%に達した。

第4四半期(10~12月)の自動車市場に関して、CAAMは「半導体供給は第3四半期(7~9月)よりも良好になると予想されるが、供給不足は依然として続く。また、中国各地での電力制限は自動車産業の供給リスクを増大させ、電気料金と原材料価格は上昇し続け、企業のコスト圧力をさらに高め、産業に一定程度の影響を及ぼす。2021年通年の自動車市場は当初見通しよりも弱くなる可能性がある」とした。8月に続き、自動車市場の拡大に控えめな見通しを示したことになる(2021年9月13日記事参照)。

(高橋大輔)

(中国)

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