EUとユーロ圏の8月の失業率、ともに前月比0.1ポイント改善
(EU、ユーロ圏)
ブリュッセル発
2021年10月05日
EU統計局(ユーロスタット)の9月30日の発表によると、8月の失業率(季節調整済み)は、EU27カ国全体で前月から0.1ポイント改善して6.8%、ユーロ圏19カ国でも同0.1ポイント改善の7.5%だった(添付資料表参照)。EU全体の6.8%という値は、2020年5月以降で最も低い失業率となる。
8月の失業率を加盟国別にみると、チェコが2.9%と最も低くなった。最も高いのはスペインの14.0%だった。失業率が前月から改善した加盟国は、ギリシャ(1.0ポイント低下)やキプロス(0.8ポイント低下)など13カ国に上った。失業率が大幅に改善したギリシャでは、キリアコス・ミツォタキス首相が9月に開催されたテッサロニキ国際展示会でのスピーチで、家計や企業の支援、新規雇用促進のために2021年だけで11億ユーロ規模の経済支援策を実施することを表明しており(2021年9月21日記事参照)、雇用改善に向けた取り組みを強化している。他方、失業率が前月から悪化した加盟国は、ベルギー(0.2ポイント上昇)とオランダ、チェコ、ルーマニア(ともに0.1ポイント上昇)の4カ国だった。
8月のEUの失業者数は1,446万9,000人で、前月比で22万4,000人減、そのうちユーロ圏は1,216万2,000人で、前月比で26万1,000人減となった。同月の25歳未満の若年層の失業者数は、EUで283万3,000人となり、このうち231万7,000人がユーロ圏の失業者だった。若年層の失業者数の増減を前月比でみると、EUでは6万6,000人の減少、そのうちユーロ圏で6万3,000人の減少となった。
若年層の8月の失業率も、EU全体とユーロ圏ともに前月からそれぞれ0.2ポイント、0.3ポイント改善し、それぞれ16.2%、16.4%となった。若年層の失業者数を加盟国別にみると、フランス(58万人)、スペイン(45万1,000人)、イタリア(39万2,000人)が引き続き大部分を占めた。3カ国の若年層失業率はそれぞれ19.9%、33.0%、27.3%となり、フランスでは前月から0.3ポイント悪化した一方、スペインでは1.7ポイント改善、イタリアでは横ばいだった。若年層失業率が最も低かったのは、オランダの7.4%で、最も高かったのはスペインだった。
(大中登紀子)
(EU、ユーロ圏)
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