8月の自動車市場、半導体不足の影響で生産と販売は4カ月連続減少

(中国)

上海発

2021年09月13日

中国自動車工業協会(CAAM)が9月10日に発表した8月の自動車販売台数は、前年同月比17.8%減の179万9,000台で、5月以降4カ月連続で減少した。8月の生産台数も18.7%減の172万5,000台で、販売台数と同様に4カ月連続で減少している(2021年9月9日記事参照)。

8月の自動車市場について、CAAMは「国内やマレーシアにおける新型コロナウイルスの感染拡大でサプライチェーンのリスクが上昇し、減産圧力がさらに拡大した。8月の累計販売台数でみると、2019年同月に比べ微増であることから自動車の需要は安定しているが、車載半導体の不足が企業の生産計画に影響を与え、自動車は供給不足にある」と説明した。

自動車販売台数の内訳は、乗用車が11.7%減の155万2,000台、商用車が42.8%減の24万7,000台だった。うち、新エネルギー車は2.8倍の32万1,000台となり、単月で初めて30万台を超え過去最多になった。新エネルギー車の1~8月の累計販売台数は179万9,000台で、自動車販売台数の全体に占める割合は10.9%に達した。国務院が2020年10月に発表した「新エネルギー自動車産業発展計画外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」では、2025年に自動車販売台数に占める新エネルギー車の割合を20%にする目標が掲げられているが、この目標達成が現実味を帯びてきた。

今後の自動車市場に関して、CAAMは「需要は安定しているが、海外における新型コロナウイルスの感染拡大による車載半導体不足の問題は依然として存在する。第4四半期に自動車への需要が増加し原材料の高値が続けば、企業のコスト圧力がさらに高まる。こうした要素を勘案すると、通年の自動車市場は当初見通しよりも弱くなる可能性がある」としている。

(高橋大輔)

(中国)

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