新型コロナワクチンの接種回数が10億回突破

(インド)

ニューデリー発

2021年10月27日

インド国内の新型コロナウイルスのワクチン接種回数が10月21日、累計10億回に達した(添付資料図参照)。政府が最優先事項として積極的にワクチン接種の拡大を図る中、少なくとも1回の接種を受けた人は接種対象年齢人口の半数以上となり、2回目まで接種を済ませた割合は2割を超えた。国を挙げてワクチン接種の普及を図るナレンドラ・モディ首相は同日、ワクチンの急速な普及は歴史的な快挙だとして医療従事者をはじめとする関係者へ感意を表明した。

2021年3月中旬から到来した全国的な新型コロナウイルス感染拡大(第2波)は6月下旬におおむね収束し、その後も新規感染者数は緩やかな減少傾向にある。ワクチンの普及や感染予防の浸透などにより、感染者数は1日当たり1万5,092人(10月15~21日平均)と、ピーク時の39万1,232人(5月2~8日平均)の4%未満となっている。

感染者数の減少を受けて、全国的に活動規制が緩和され、日常的な移動制限は一部地域を除きほぼ解除されている。政府は10月12日、7月以降段階的に緩和してきた国内航空便の運航便数規制を撤廃することも発表した。また、2020年3月以降停止していた外国人向け観光ビザの新規発給の再開を10月7日に発表する(2021年10月13日記事参照)など、さらなる正常化への道を模索している。

なお、インド国内で流通する新型コロナワクチンは「コビシールド(Covishield)」と「コバクシン(Covaxin)」の2種類で占められる(2021年9月17日記事参照)。「コビシールド」は、英国アストラゼネカの技術供与を受けて、インド血清研究所が開発・生産しているワクチンだ。日本の厚生労働省は10月8日、日本政府として有効と認めるワクチン接種証明書の要件を一部改正し、10月12日以降は「コビシールド」をアストラゼネカの「バキスゼブリア」と同一のものとして認めることを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしている(注)。

(注)ただし、インドで発行されたワクチン接種証明書は、現時点で日本入国・帰国時の検疫措置の緩和対象とはなっていない(在インド日本大使館外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

(高際晃平)

(インド)

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