ムンバイ市、冠水対策で初の地下貯水槽設置

(インド)

ムンバイ発

2021年09月28日

インド西部マハーラーシュトラ(MH)州政府は8月31日、ムンバイ市ヒンドゥマタにおける冠水対策事業の完了を発表した(「インディアン・エクスプレス」紙9月1日)。同事業では、ムンバイ市にとって初となる地下貯水槽が設けられた。円盤状の低地であるヒンドゥマタではこれまで20年以上、6~9月のモンスーン(雨期)の大雨に伴う冠水被害が相次いできた。

ムンバイ市政府(BMC)は2020年から同事業を開始した。ヒンドゥマタ周辺のダダール地区とパレル地区の地下にそれぞれ3万立方メートル規模の貯水槽を敷設して、この度、ヒンドゥマタのポンプステーションとパイプラインで接続し、ヒンドゥマタにたまった雨水を排水する仕組みを構築した。

ムンバイ市ではモンスーン期に同様の冠水、氾濫被害が各所で発生し、BMCは対応に追われている。日本で導入されている「首都圏外郭放水路」の採用を前提として、2019年9月に始動したミティ川氾濫対策事業もそのうちの1つだ(2019年9月17日記事参照)。BMC担当者によれば、同事業はその後、実現可能性調査(FS)に向けた3億1,000万ルピー(約4億6,500万円、1ルピー=約1.5円)規模の国際入札が実施され、日系コンサルティング企業が落札し、現在、調査を進めているとのことだ。調査の完了時期は2022年内と見込まれている(「インディアン・エクスプレス」紙7月22日)。同調査に基づいて、4年間の工期で建設する計画だ。

(榎堀秀耶)

(インド)

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