労働者に新型コロナのグリーン証明書保持を義務付け、ワクチンの3回目接種も開始

(イタリア)

ミラノ発

2021年09月27日

イタリア政府は9月21日、新型コロナウイルスのさらなる感染拡大防止のため「COVID-19グリーン証明書」の保持を労働者に義務付ける新たな暫定措置令外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(同日付)を官報に掲載し、翌22日に発効した。政府はこれまで段階的にワクチン接種などグリーン証明書の保持義務の範囲を拡大してきたが(2021年7月27日記事2021年8月10日記事参照)、今後より一層踏み込んだ措置を取ることとなる。なお、イタリアにおけるグリーン証明書とは、ワクチン接種証明や、感染からの治癒を示すもの、あるいはウイルス検査による陰性証明のいずれかを指す。

10月15日以降、新型コロナウイルス感染拡大阻止のため、職場にアクセスをする際はグリーン証明書を所持し、求めに応じて提示することが義務付けられる。非常事態宣言の現状の期限である12月31日までの措置となる。同規定は民間セクターと公共部門の双方で、役職または職種(研修、ボランティア、外部委託者などを含む)に関係なく適用される。

雇用主はこれらの規定が満たされているか確認する責務を負うほか、10月15日までに確認の実施方法などのオペレーションを組むことが求められている。労働者はグリーン証明書を保持していない場合、証明書を提示するまで欠勤と見なされる。この欠勤とする期間では報酬などは支払われないが、懲戒処分の対象とはならない。不所持で職場にアクセスした労働者には、600~1,500ユーロの罰金(行政罰)が科せられる。

その他、医学的証明書に基づきワクチン接種対象から外れる者は、本令の適用外となる。また、これら健康上の理由でワクチンが接種できない人については、迅速抗原検査が無料で受けられると規定している。

なお、イタリアでは9月20日から一部の対象者向けに3回目のワクチン接種も開始された。ファイザー製(12歳以上)またはモデルナ製(18歳以上)のワクチンが投与される。まずは臓器移植を受けた人と免疫不全患者から優先的に進められることとなっている。

(山崎杏奈)

(イタリア)

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