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天候や新型コロナ禍が原因で食品中心に物価が大きく上昇

(フィリピン)

マニラ発

2021年09月16日

フィリピン統計庁(PSA)は9月7日、8月の消費者物価指数(CPI)上昇率(インフレ率)は4.9%と発表した(添付資料図参照)。この数値は2018年12月に5.1%を記録して以降、最も高い数字となる。相対的に価格変動が大きい特定の食品とエネルギーの項目を計算から除いたコアインフレ率は3.3%だった。また、1月から8月までの平均CPI上昇率は4.4%となり、政府が目標範囲としている2~4%を上回っている(注1)。

フィリピン中央銀行(BSP)は8月のCPI上昇の主な要因として、物価指数を計算する際にウエートが大きい項目の「食品」の上昇率が6.9%と高かったことを挙げている。BSPが公表しているデータによると、「食品」の寄与度(注2)は2.5で、最も高い項目だった。「食品」の中でも「野菜」は15.7%、「魚」は12.4%と大きな価格上昇があった。「野菜」の急騰について、モンスーンの雨で農地がダメージを受け、供給能力が低下するとともに、新型コロナウイルス感染防止を目的とした移動・経済制限措置によって作物の輸送コストが上昇したことが原因、とPSAのクレア・デニス・マパ次官は説明した(「フィルスター」紙2021年9月7日付)。

BSPは2021年末までに物価上昇率は政府の目標範囲へと減速するという見込みの下、8月のCPI上昇率について、同行の想定の範囲内と述べた。その上で、「食品」のインフレについては、政策金利引き上げといった金融政策ではなく、直接的に供給サイドに働きかける政策を取っていくことで、2022年から2023年にはCPI上昇率は政府の目標範囲の2~4%の中点まで下落していくとの見解を示した。なお、BSPは新型コロナウイルスでダメージを受けた経済を回復させるため、政策金利を過去最低の水準としている(2021年7月1日記事参照)。

(注1)フィリピン政府は物価上昇率の目標範囲を明示し、物価上昇率の予想値が範囲内に収まるように金融政策を運営するインフレターゲットを導入している。政府は2021年から2024年まで、年間のCPI上昇率の目標範囲を2~4%としている。

(注2)他の項目は変化せず、「食品」の項目だけが上昇したと仮定した場合のCPIの変化率に当たる。

(吉田暁彦、サントス・ガブリエル)

(フィリピン)

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