カナダ総選挙、トルドー首相の自由党が第1党維持へ、過半数には達せず

(カナダ)

米州課

2021年09月21日

カナダの第44回連邦下院議会選挙は9月20日に投票が行われた。即日開票の結果、ジャスティン・トルドー首相率いる自由党が再び小数与党政権を樹立する可能性が高くなった。最終的な議席数は8月上旬に解散した際の構成とあまり変わらないとみられている。

今回の総選挙では、新型コロナウイルス感染拡大の影響から郵便投票による投票者が増加し(2021年9月16日記事参照)、集計に時間を要するとされていたが、現地時間20日夜(日本時間21日午前)には、現地主要メディアが相次いで自由党の勝利を報道している。単独過半数(170議席)を目指していたトルドー首相は、8月中旬の世論調査で野党第1党の保守党を大きくリードしていて選挙戦に踏み切ったが(2021年8月18日記事参照)、新型コロナ感染第4波の最中に選挙を行うことに多くの有権者が怒りを示し、支持率が急落した。しかし、最終的に有権者は、カナダは死亡率やワクチン接種率など新型コロナに関する重要な指標で良い結果を出しており、引き続き自由党が統治すべきと判断したとみられている(CBCニュース9月20日)。トルドー首相は20日、自身のツイッターで「今こそ新型コロナウイルスとの闘いを終わらせる時だ。今こそわれわれの進歩を土台にし、前進し続ける時だ」と自由党への投票を呼び掛けていた。

一方、エリン・オトゥール党首率いる野党第1党の保守党は、解散時の議席数(119議席)を上回る議席数を獲得するとみられる。オトゥール党首は投票が終わる前から、保守党は選挙結果への期待を下げるために最後の努力をし、自由党を小数派に抑えることが保守党の勝利と宣言していた(「グローブ・アンド・メール」紙9月20日)。

(大塚真子)

(カナダ)

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